FDAが再発/転移子宮頸がんの一次治療にペムブロリズマブの併用を承認
2021年10月13日、米国食品医薬品局(FDA)は、同局が承認した検査により腫瘍にPD-L1が発現している(CPS≧1)転移/再発子宮頸がん患者に対して、ベバシズマブ併用の有無を問わず化学療法とペムブロリズマブ(販売名:キイトルーダ、Merck社)の併用を承認した。
また、FDAは上記の検査でPD-L1の発現が確認され、化学療法中または施行後に病勢進行した再発/転移性子宮頸がん患者に対して、ペムブロリズマブ単剤も通常承認した。2018年6月、既に同局は本適応とそのコンパニオン診断薬(販売名:PD-L1 IHC 22C3 pharmDx「ダコ」、Dako North America Inc.社)を迅速承認済みである。
多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照試験であるKEYNOTE-826(NCT03635567)では、ベバシズマブ併用の有無を問わず、ペムブロリズマブ+パクリタキセル+シスプラチンまたはカルボプラチンの併用を検討した。本試験では、治療抵抗性、再発または化学療法による治療歴のない一次治療の転移子宮頸がん患者617人を登録した。PD-L1の発現状況は不問とした。患者は、ベバシズマブ併用の有無を問わずペムブロリズマブ200mg+化学療法、または、ベバシズマブ併用の有無を問わずプラセボ+化学療法の2群に1対1の比率で無作為に割り付けられた。ペムブロリズマブは病勢進行または許容できない毒性が現れるか、治療が終了するまで最長24カ月間継続して投与した。
有効性主要評価項目は、最大10個の標的病変(各臓器の標的病変は最大5個まで)をフォローするように修正したRECIST v1.1を用いて治験責任医師が評価した全生存期間(OS)と無増悪生存期間(PFS)であった。その他の評価項目は、ORRおよび奏効期間(DoR)である。PD-L1を発現している腫瘍を有する患者(CPS≧1、N=548)において、OS中央値はペムブロリズマブ群で未到達(95% CI: 19.8, NR)、プラセボ群で16.3 カ月(95% CI: 14.5, 19.4)だった(HR 0.64; 95% CI: 0.50, 0.81; 片側p-value= 0.0001 )。PFS中央値はペムブロリズマブ群10.4 カ月(95% CI: 9.7, 12.3)、プラセボ群8.2 カ月(95% CI: 6.3, 8.5)(HR 0.62; 95% CI: 0.50, 0.77; 片側p-value< 0.0001)であった。客観的奏効率はペムブロリズマブ群で68%(95% CI: 62, 74)、プラセボ群で50%(95% CI: 44, 56)、DoR中央値はそれぞれ18.0 カ月、10.4 カ月であった。
ペムブロリズマブ、化学療法、ベバシズマブによる治療を受けた患者で特に多く見られた有害反応(≥20%)は、末梢神経障害、脱毛症、貧血、疲労・無力症、吐き気、好中球減少、下痢、高血圧、血小板減少、便秘、関節痛、嘔吐、尿路感染、発疹、白血球減少、甲状腺機能低下、食欲減退であった。
ペムブロリズマブの推奨用量は、3週間ごとに200mg/6週間ごとに400mgを、病勢進行または許容できない毒性が現れるまで最長24カ月継続する。
翻訳担当者 山本哲靖
原文掲載日
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