子宮頸部腺がんは増加傾向で、検診で予防困難

子宮頸がんのほとんどの原因はヒトパピローマウイルス(HPV)感染である。約15年前、HPV感染を予防するためにHPVワクチンが導入されたが、後世にわたりすべての女性がその恩恵を受けられるわけではない。子宮頸がんの組織型は、扁平上皮がんと腺がんの2つが主であり、子宮頸がん検診プログラムで発見できるのは扁平上皮がんの前がん病変である。残念ながら、この検診は腺がんの予防にはあまり効果がなく、米国では現在、子宮頸がん全体のなかでも腺がんの割合が増加している。子宮頸部腺がんを早期に前がん段階で発見できるバイオマーカーを発見するためにも、子宮頸部腺がんの発がん機構についてさらなる解析が必要である。

Robert Burk医師とHoward Strickler医師は、この頸部腺がんの早期発見に役立つバイオマーカーをヒト子宮頸部がん組織サンプルの中から探索し、評価するため、5年間で280万ドルの助成金を米国国立がん研究所(NCI)から受けた。研究者らは、さまざまなHPVの遺伝子型、HPVウイルスおよび宿主ゲノムのエピジェネティクス、HPVウイルス統合アッセイを用いて、腺がんの発がんリスクの予想モデルを開発しようとしている。このプロジェクトは、NCIおよび北カリフォルニア・カイザーパーマネンテとの共同研究である。

Burk博士は、アルバート・アインシュタイン医科大学の小児科、微生物学・免疫学、産科・婦人科・女性保健学、疫学・集団保健学の教授であり、モンテフィオーレヘルスシステム所属医師でもある。Strickler博士は、アルバート・アインシュタイン医科大学の疫学・人口保健学の教授兼部門長であり、疫学・人口保健学のHarold and Muriel Block 議長を務めている。このプロジェクトには、アルバート・アインシュタイン医科大学の疫学・人口保健学の教授であるNan Xue博士も参加している。(NCI助成コード:1U01CA238592-01A1)。

*サイト関連記事:ヒトパピローマウイルス(HPV)とがん

翻訳担当者 山本哲靖

監修 喜多川 亮(産婦人科/総合守谷第一病院 産婦人科)

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