FDAがSurePath保存液でのHPV検査を承認
速報
米食品医薬品局(FDA)は本日、Roche社のヒトパピローマウイルス(HPV)検査システムであるcobas HPV Testで、パップテストで得られた子宮頸部細胞をSurePath保存液に回収し検査を実施することを初めて承認した。
FDAは、検査用の子宮頸部細胞検体を検査室に保管し保存する、特定の回収液を使用したHPV検査を承認した。今日まで、SurePath保存液を用いて行われるHPV検査はいずれもFDAの承認は得られていなかった。この保存液はこれまでに承認されている2種の回収液の1つであり、パップテストに広く用いられている。
「医療従事者は、しばらく前からSurePath保存液に保管した検体を用いてHPV検査を行っていますが、偽陰性の結果が生じる懸念を抱いています。現在、医療従事者は、患者に最も正確な検査結果を確実に提供できるように、FDAが承認した検査法と適正な使用のために必要な情報を入手しています」とFDA医療機器・放射線保健センターのOffice of In Vitro Diagnostics and Radiological Health 室長、Alberto Gutierrez医学博士は述べた。
本日の承認前に、一部の検査施設では、HPV検査で使用がすでに認められていた別の回収液に追加の検体を回収する代わりに、SurePath保存液に回収した子宮頸部細胞検体を用いてHPV検査を行っていた。2012年に、SurePath製造業者は検査施設に対して、特定のHPV検査にSurePath保存液中の子宮頸部細胞検体を用いた場合、偽陰性の結果を生じる可能性があると警告した。HPV検査結果が偽陰性であった患者は適切な経過観察ケアを受けないことが考えられ、これにより子宮がんの進行を招く可能性がある。Roche社は現在、cobas HPV Testの使用に際し、偽陰性結果のリスクを最小限にするために、SurePath保存液に回収した子宮頸部細胞検体を処理する場合の特別な指示を検査施設に提供している。
HPV感染は米国で最も多い性行為感染症であり、世界中の子宮頸がんの約70%がHPV16型および18型によるものである。米国国立がん研究所によれば、2016年には米国で新たに12,990人が子宮頸がんと診断され、子宮頸がんによる死亡者は4,120人にのぼると推定されている。
Roche社のcobas HPV Testで、パップテストで得られた子宮頸部細胞検体に対するSurePath保存液の使用が承認された。これは、30歳以上の女性のHPV感染をスクリーニングし、さらなる経過観察および診断的手技が必要であるかを判断するために実施される検査法である。また、FDAは、パップテストですでに異常が認められている21歳以上の女性を対象(ボーダーライン細胞診)として、さらなる経過観察および診断的手技が必要であるかを判断するためにSurePath保存液を用いたRoche社のcobas HPV Testも承認した。SurePath保存液を用いたテストでは、同じ女性集団における高リスク型HPV16型と18型の検出も可能である。
SurePath保存液を用いたRoche社のcobas HPV Testは、HPVの一次スクリーニングとしては承認されていない。さらに、医療従事者は、患者のスクリーニング歴や危険因子などその他の情報も考慮してcobas HPV Test結果を用いるべきである。
FDAは、パップテストで異常が認められた21歳以上の適格女性952人を対象とした臨床試験結果に基づいて、SurePath保存液を用いたRoche社のcobas HPV Testを承認した。SurePath保存液を用いたRoche社のcobas HPV Testでは、すでに承認されている子宮頸部検体と比較して同程度の臨床成績が認められた。SurePathを用いたRoche社のcobas HPV TestにおいてHPV陽性を示した検体のうち、95.4%で標準検体と同じ結果が得られた。SurePathを用いたRoche社のcobas HPV TestにおいてHPV陰性を示した検体のうち、93.2%で標準検体と同じ結果が得られた。
Roche社のcobas HPV Testは、スイスのバーゼルに本社を置くRocheグループに属するRoche Molecular Systems, Inc.社によって製造されている。SurePath保存液は、ニュージャージー州、フランクリンレイクスにあるBecton Dickinson and Companyによって製造されている。
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