2012/09/18号◆AHRQ情報「作業部会から卵巣癌検診を推奨しないとの再勧告」
NCI Cancer Bulletin2012年9月18日号(Volume 9 / Number 18)
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◇◆◇ AHRQ情報 ◇◆◇
作業部会から卵巣癌検診を推奨しないとの再勧告
平均的リスクの女性は卵巣癌検診を受けるべきではないことが、米国予防医療作業部会(USPSTF)により再確認された。9月11日付Annals of Internal Medicine誌で発表されたUSPSTFによる最新の臨床ガイドラインは、卵巣癌の徴候がある女性や卵巣癌リスクを増大させる遺伝子変異を有する女性には適用されない。卵巣癌検診の有益性と有害性のバランスが卵巣癌の家族歴を持つ女性の場合に異なるか否かは、現在入手可能なエビデンス(証拠)では明確に示されていないが、そのような女性にとって必ず有益であるとする確かな根拠をUSPSTFは見出さなかった。
USPSTFは、2004年の卵巣癌検診に関する勧告以来初の文献調査を2008年に委託した。NCI助成による前立腺癌、肺癌、大腸癌および卵巣癌(PLCO)検診試験の結果を含めた数件のランダム化比較試験による最新のエビデンスを検討するため、この調査は2011年まで延長された。
この調査では、経膣超音波およびCA-125血液検査の2つの検査法を取り上げ、検診に卵巣癌死亡率低下の効果がなかったばかりか、弊害をもたらす可能性があることも明らかになった。たとえば、PLCO試験において「検診の偽陽性判定に基づいて行われた外科的処置100件あたり、主な合併症が21近く認められた」とUSPSTFは記している。そして、「卵巣癌検診の有害性が有益性を上回ることについては、わずかながら確証が認められる」とUSPSTFは結んでいる。
USPSTFによる勧告は米国がん協会および米国産婦人科学会との共同によるものである。両者とも徴候のない平均的リスクの女性への定期的な卵巣癌検診を推奨していない。
参考文献:「エビデンスに反し、卵巣癌検診を推奨する医師も」、「卵巣癌検診で死亡減少効果を認めず」
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河原恭子 訳
原野謙一 (乳腺・婦人科癌/日本医科大学武蔵小杉病院) 監修
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