Doxil®とカルボプラチン®は再発卵巣癌に効果的

キャンサーコンサルタンツ
2006年11月

プラチナ製剤感受性の再発性卵巣癌の女性がCaelyxRとMYOCETRとしても市販されているDoxil(ドキソルビシン内包PEG化リポソーム製剤)とパラプラチン(カルボプラチン)で38%の完全寛解率が得たことをフランスの研究者らによって報告された。この第2相臨床試験の詳細はAnnals of Oncology誌の早期オンライン版2006年11月15日号で発表された。

卵巣癌に対する第一選択治療が奏効しなかった女性に対して多くの有望な薬剤があるが、どの薬剤がもっとも有効であるか、あるいはどの投与スケジュールが最も効果が高いかについての一致した意見はない。Doxilは難治性または抵抗性の卵巣癌に有効な単独治療薬であり、卵巣癌に対する第二選択治療薬として米国食品医薬品局によって承認されている。プラチナ製剤感受性進行卵巣癌患者に対しては、HycamtinR (トポテカン)よりも、Doxilのほうが有効であり費用対効果が高いこともこのデータによって示唆されている。Doxilによる再発性卵巣癌治療の結果が検討された(関連ニュース省略)。 プラチナ製剤不応性卵巣癌に対するDoxilとジェムザールの併用療法は、単独投与によるサルベージ療法より効果が高いことも、複数の第2相試験によって示唆されている(関連ニュース省略)。

ファーストラインまたはセカンドライン治療としてプラチナ製剤およびタキサンのレジメンで治療を受けた後6ヶ月以上経過してから再発した進行卵巣癌の女性104例においてDoxilとパラプラチンの併用療法を本試験で評価した。著者は完全寛解率は38%、部分寛解率は25%得られたと報告した。無増悪生存期間の中央値は9.4ヶ月で全生存期間の中央値は32ヶ月であった。半数がグレード3~4の好中球減少症を発症したが発熱性好中球減少症の割合は低かった。25%無増悪生存期間の中央値は9.4ヶ月で全生存の中央値は32ヶ月であった。このレジメンは奏効率が高く毒性が低いため、第3相臨床試験で評価されるべきであると示唆している。

コメント

これらの結果はDoxilとジェムザールを併用して得られた結果に比べて勝るとも劣らないので第3相臨床試験でDoxil+ジェムザールをDoxil+パラプラチン併用レジメンの比較対照群とするのが適当である。


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翻訳担当者 吉村 由美

監修 瀬戸山 修(薬学)

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