フェマーラはエストロゲン受容体陽性の卵巣癌の抑制に有効

キャンサーコンサルタンツ
2007年8月

イギリスの研究者グループからの報告によると、フェマーラ(レトロゾール)によってエストロゲン受容体陽性の卵巣癌を治療した結果、CA125を基にした奏効率は17%病勢安定率は26%であった。この研究の詳細は2007年6月15日発行のClinical Cancer Research誌に掲載された。

再発した卵巣癌患者や難治性の卵巣癌患者にとっては有害な副作用なしで癌を抑えるための選択肢がほとんどない。本研究で研究者グループがめざしたのはエストロゲン受容体陽性の疾患を抱えた女性に対する抗エストロゲン療法の効果を評価することであった。CA125によって評価可能であった42名の患者のうち17%は50% 以上下がり、さらに26%で病勢が安定しCA125も上昇しなかった。最大の奏効を得るまでの平均時間は4ヶ月であった。33名の患者中9%で放射線検査でも奏効が確認され、42%で病勢の安定が得られた。さらに患者のうち26%は無進行生存期間が6ヶ月以上に及んだと報告されている。奏効率はエストロゲン受容体の発現量を示す免疫染色スコアに関係があり最も高いグループでは奏効率は33%、最も低いグループでは0%であった。

コメント:
再発卵巣癌患者の一部に対して比較的有害な副作用なしに癌を抑える方法を示しており、重要な研究である。

  c1998- CancerConsultants.comAll Rights Reserved.
These materials may discuss uses and dosages for therapeutic products that have not been approved by the United States Food and Drug Administration. All readers should verify all information and data before administering any drug, therapy or treatment discussed herein. Neither the editors nor the publisher accepts any responsibility for the accuracy of the information or consequences from the use or misuse of the information contained herein.
Cancer Consultants, Inc. and its affiliates have no association with Cancer Info Translation References and the content translated by Cancer Info Translation References has not been reviewed by Cancer Consultants, Inc.
本資料は米国食品医薬品局の承認を受けていない治療製品の使用と投薬について記載されていることがあります。全読者はここで論じられている薬物の投与、治療、処置を実施する前に、すべての情報とデータの確認をしてください。編集者、出版者のいずれも、情報の正確性および、ここにある情報の使用や誤使用による結果に関して一切の責任を負いません。
Cancer Consultants, Inc.およびその関連サイトは、『海外癌医療情報リファレンス』とは無関係であり、『海外癌医療情報リファレンス』によって翻訳された内容はCancer Consultants, Inc.による検閲はなされていません。

翻訳担当者 大西

監修 林 正樹(血液・腫瘍科)

原文を見る

【免責事項】
当サイトの記事は情報提供を目的として掲載しています。
翻訳内容や治療を特定の人に推奨または保証するものではありません。
ボランティア翻訳ならびに自動翻訳による誤訳により発生した結果について一切責任はとれません。
ご自身の疾患に適用されるかどうかは必ず主治医にご相談ください。

卵巣がんに関連する記事

欧州臨床腫瘍学会(ESMOアジア2024)ハイライトの画像

欧州臨床腫瘍学会(ESMOアジア2024)ハイライト

ESMOアジア会議2024は、アジア地域における集学的腫瘍学に特化した年次イベントである。新しい治療法、特定のがん種の管理に関する詳細な議論、アジア全域を対象とした臨床試験、アジア地域...
一般的な卵巣がんに対する特殊なナチュラルキラー細胞の有効性が非臨床で示されるの画像

一般的な卵巣がんに対する特殊なナチュラルキラー細胞の有効性が非臨床で示される

研究タイトルメソセリンの膜近位領域を標的とするCARメモリー様NK細胞が卵巣がんに有望な活性を示す掲載誌Science Advances誌著者(ダナファ...
一部の早期婦人科がんにペムブロリズマブ+化学放射線や抗Claudin6抗体薬物複合体が有益の画像

一部の早期婦人科がんにペムブロリズマブ+化学放射線や抗Claudin6抗体薬物複合体が有益

ESMO 2024で報告された研究により、現在の標準治療に免疫療法を追加することで臨床的に意味のある利益が得られる早期の子宮体がん(子宮内膜がん)(1)および子宮頸がん(2)の新たな患...
【ASCO2024年次総会】進行卵巣がんにリンパ節郭清が不要である可能性の画像

【ASCO2024年次総会】進行卵巣がんにリンパ節郭清が不要である可能性

ASCOの見解(引用)「このランダム化第3相臨床試験は、進行卵巣がんの手術を受ける患者が、原発巣からの転移がないと思われるリンパ節の追加切除を安全に回避できる可能性を示していま...