新しい経口剤タスキニモドは前立腺癌に有効である可能性

キャンサーコンサルタンツ
2009年10月

スウェーデンの研究者らは、経口リノミド誘導体であるタスキニモドは、ホルモン不応性の前立腺癌(HRPC)患者に顕著な効果を示す可能性があると発表した。この試験の詳細は、British Journal of Cancer誌, 2009年10月13日号に発表された。

骨転移があるHRPC患者には、多くの治療選択肢があるが、そのほとんどが重大な毒性をもつ。HRPC患者の化学療法剤には、タキソテールⓇ(ドセタキセル)、EmcytⓇ(エストラムチン)、ノバントロンⓇ(ミトキサントロン)、イクサベピロン、ナベルビンⓇ(ビノレルビン)、およびサトラプラチンなどがある。

タスキニモドは、最初は前立腺癌の治療として評価されたが、毒性が強すぎると判明した経口リノミド誘導体である。タスキニモドは、in vitro(試験管内)の実験では、血管新生阻害作用を示す。今回の試験では、32人のHRPC患者を最長で1年間、タスキニモドで治療した。用量規定毒性は頻脈とアミラーゼ値上昇であると考えられた。本試験では、50%以上のPSA値の減少が2人の患者に見られた。PSA進行までの期間の中央値は19週であった。そして、3人の患者のみに新たな骨病変が発現した。著者らは、タスキニモドの長期投与は「病気の進行を遅らせる可能性がある」と述べた。

コメント:これらの結果は、中程度の効果であるが、タスキニモドは忍容性が良好であると思われる。将来の研究に興味深いものがある。


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翻訳担当者 澤谷 桐子

監修 野長瀬 祥兼(工学/医学生)

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