2022年ASCO年次総会総括(患者向け):泌尿生殖器がんの治療の進歩
年に一度の’研究総括シリーズ’では、Cancer.Net(米国臨床腫瘍学会(ASCO)の患者サイト)顧問医師が「2022年ASCO年次総会または2022年泌尿生殖器がんシンポジウム(Genitourinary Cancers Symposium)で発表された自分の分野で最も胸躍る研究または診療に変化をもたらす研究は何か?その研究はがんと共に生きる人々にとってどのような意味を持つのか?」という疑問に答えます。
本ウェビナーでは、Cancer.Netの泌尿器科監修 者であるNeeraj Agarwal医師、米国臨床腫瘍学会フェロー(Fellow of the American Society of Clinical Oncology:FASCO)のTimothy Gilligan医師、Petros Grivas医学博士およびTian Zhang医師が前立腺がん、精巣がん、膀胱がんおよび腎がんの新たな研究および進行中の研究について解説します。
(*ポッドキャストならびに全文「2022年の研究のまとめ:前立腺がん、精巣がん、膀胱がん、および腎臓がん」)
● 標的放射線治療の一種であるルテチウム-177-PSMA-617(177Lu-PSMA-617またはLuPSMA)が、化学療法による治療後に増殖した一部の転移性去勢抵抗性前立腺がん患者の延命に役立つかどうかを研究していた第2相TheraP試験の最新情報[3:38]
● アンドロゲン受容体阻害剤と呼ばれるホルモン療法の一種であるエンザルタミド(イクスタンジ)をアンドロゲン除去療法に追加することにより、転移性ホルモン感受性前立腺がん患者が延命に役立つかどうかを評価していた第3相ENZAMET試験の最新情報[6:44]
● 治療後2~5年以上を経て再発する遅発性再発が精巣がん患者にどの程度よく見られるかを評価したノルウェーの全国コホート研究の結果[11:00]
● 化学療法後に再発した非セミノーマ性縦隔(胸の中心部)原発胚細胞腫瘍を有する人たちに高用量化学療法は望ましい選択肢かどうかを検証する試験の結果[14:35]
● 標準的な免疫療法に免疫療法のN-803を追加することにより、筋層非浸潤性膀胱がん患者の腫瘍縮小および膀胱摘除術の回避に役立つかを研究していた第2/3相QUILT-3.032試験の最終結果[17:46]
● 転移性尿路上皮がん患者のうちプラチナ製剤を中心とした化学療法を避けるべき患者を臨床腫瘍医が特定するのに役立つ基準を作成するために利用した研究結果[20:57]
● プラチナ製剤を中心とした化学療法後に免疫療法薬剤であるアベルマブ(バベンチオ)での維持療法を進行尿路上皮がん患者に行うべきかどうかを評価していた第3相JAVELIN Bladder 100試験の長期的な結果[24:18]
● 分子標的薬剤のエベロリムス(アフィニトール)により、外科手術を受けた腎細胞がん患者の再発遅延や再発予防が可能かどうかを研究していた第3相EVEREST試験の結果[27:16]
● 進行腎細胞がん患者を対象に、カボザンチニブ(カボメティクス)とニボルマブ(オプジーボ)の併用標的療法による初期治療が、分子標的治療薬のスニチニブ(スーテント)と比較して、がんの増殖をさらに遅らせられるかどうかを研究していた第3相CheckMate 9ER試験の分析[29:52]
● 専門家パネリストとの質疑応答[32:12]
本ウェビナーの講演者の開示情報は、前の段落にあるリンク先の各講演者の経歴に記載されている。
日本語記事監修 :榎本 裕 (泌尿器科/三井記念病院)
翻訳担当者 松長 愛美
原文掲載日
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