FDAが前立腺がん再発検出にPET診断薬Axuminを承認
速報
米国食品医薬品局(FDA)は本日、Axumin 注射薬を放射性医薬品として承認した。Axuminは、前治療後に前立腺特異抗原(PSA)値の上昇による前立腺がんの再発が疑われる男性患者のポジトロン放出断層撮影(PET)画像の診断薬として適応される。
前立腺がんは米国人男性のがん死因の第2位である。初期治療後にがんの再発が疑われる患者にとって、病期を正確に診断することはがんの抑制と転帰を改善する際に重要な課題となる。
「PSA値が非常に低い時期であれば、前立腺がんの再発部位を画像検査で判定することはできませんが、Axuminは、再発疑いのある患者に対し手提供できる正確な画像検査法の1つであると示されました」と、FDA医薬品評価研究センター(CDER)内、医学イメージング製品室(Division of Medical Imaging Products)所長のLibero Marzella医学博士は述べた。
2つの臨床試験が実施され、前立腺がんが再発した患者のがん画像診断におけるAxuminの安全性および有効性が評価された。第1相試験では、前立腺がんの再発が疑われた患者105人にAxuminを用いた画像検査を実施し、前立腺生検または画像上病変が疑われる部位の生検により得られた病理組織学的診断(病気に起因した組織変化の研究)と比較検討した。最初に現場の放射線科医らが画像を解読した。その後、盲検試験により独立した3人の放射線科医が同画像を解読した。
第2相試験では、PSA中央値1.44ng/mLの患者にAxuminとC11コリン(PETイメージング検査診断薬として承認済み)を用いた画像検査を患者96人に実施し、その共通点を評価した。放射線科医師らが現場で画像を解読し、初回試験でAxumin画像を解読した独立した同放射線科医3人が2回目の盲検試験で解読した。独立した放射線科医らによる画像の解読結果はほとんど相互に一致しており、臨床での画像解読結果が裏付けられた。2つの試験結果により、前立腺がんの初期治療後にPSA値が上昇した患者の前立腺がんの再発検出画像診断薬として、Axuminの安全性と有効性が確認された。
Axuminは放射性医薬品であるため、適切な安全対策で取り扱い、薬剤投与中の患者および医療従事者への放射線被ばくを最小限にしなければならない。Axuminを使用したPET画像では画像の解読誤差が発生する可能性がある。画像上で黒化度が高い領域では前立腺がんの再発を否定できず、また黒化度が低い領域では前立腺がんの再発を判定できない。臨床との関連性の評価が推奨される(再発が疑われる部位の病理組織学的評価が含まれる可能性がある)。
最も多く患者から報告された有害反応は、注射部位の疼痛、発赤、口腔内の金属味である。
Axuminは、英国のオックスフォードを拠点とするBlue Earth Diagnostics, Ltd.社が販売している。
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