5α還元酵素阻害剤(5-ARIs):添付文書の変更―前立腺癌のリスク増加

5α還元酵素阻害剤(5-ARIs):添付文書の変更―前立腺癌のリスク増加

5-ARIに分類される薬剤にはフィナステリドおよびデュタステリドがあり、これらの薬剤はProscar [プロスカー] 、プロペシア、Avodart [アボダート] 、およびJalyn [ジャリン] の商標で販売されている。

泌尿器科専門医、家庭医、内科医向け

原文

2011年6月9日

問題点:FDAは医療従事者に対し、5α還元酵素阻害剤(5-ARI)に分類される薬剤について、添付文書の「警告」および「使用上の注意」欄に、より重篤な前立腺癌(高悪性度前立腺癌)と診断されるリスクが増大するという新しい安全性情報が追加されたことを通告した。

背景:今回の新しい安全性情報は、2つの大規模なランダム化比較対照試験である、Prostate Cancer Prevention Trial (PCPT: 前立腺癌予防試験) およびReduction by Dutasteride of Prostate Cancer Events (REDUCE試験) のFDAによる審査に基づくものである。Proscar、Avodart、およびJalynは肥大した前立腺(BPH:前立腺肥大症)の症状を改善するものとして承認されている。また、ProscarおよびAvodartは、男性型脱毛症のリスクを軽減するとしても承認されている。

推奨:5-ARIsによる治療を開始する前に、BPHに似た症状を呈しうる前立腺癌などの他の泌尿器の状態を除外するために適切な評価を行うべきである。データ要約および追加情報については医薬品安全性通達を参照のこと。

医療従事者や患者に対し、これらの製剤の使用に関連した有害事象や副作用、または製品品質問題をFDA MedWatch Safety InformationやAdverse Event Reporting Programに報告することを推奨している。

報告書に記載の上、オンラインwww.fda.gov/MedWatch/report.htmまで提出すること。

書式2をダウンロードするか、または1-800-332-1088に電話をして報告用書式を請求すること。その後、住所記載済みの書式にある住所に送るか、または1-800-FDA-0178 にファックスで送付すること。

【免責事項】
当サイトの記事は情報提供を目的として掲載しています。
翻訳内容や治療を特定の人に推奨または保証するものではありません。
ボランティア翻訳ならびに自動翻訳による誤訳により発生した結果について一切責任はとれません。
ご自身の疾患に適用されるかどうかは必ず主治医にご相談ください。

前立腺がんに関連する記事

転移性前立腺がん試験、アンドロゲン受容体経路阻害薬の変更よりも放射性リガンド療法を支持の画像

転移性前立腺がん試験、アンドロゲン受容体経路阻害薬の変更よりも放射性リガンド療法を支持

第3相PSMAforeの追跡研究研究概要表題タキサン未投与の転移性去勢抵抗性前立腺がん患者における[177Lu]Lu-PSMA-617の有効性とARPI変更との比較:ラ...
転移性前立腺がんに生物学的製剤SV-102とデバイスの併用免疫療法SYNC-Tは有望の画像

転移性前立腺がんに生物学的製剤SV-102とデバイスの併用免疫療法SYNC-Tは有望

低温プローブを用いる治験的治療では、前立腺がん細胞の一部を死滅させ、腫瘍特異的ネオアンチゲン(※がん細胞特有の遺伝子変異などによって新たに生じた抗原)を放出させ免疫反応を促進する。...
進行前立腺がんにカボザンチニブ+アテゾリズマブ併用療法が有望の画像

進行前立腺がんにカボザンチニブ+アテゾリズマブ併用療法が有望

米国臨床腫瘍学会(ASCO)ASCO専門家の見解「転移を有する去勢抵抗性前立腺がんの予後は非常に不良です。アテゾリズマブ(販売名:テセントリク)とカボザンチニブ(販売名:カボメ...
FDAが転移のない前立腺がんにエンザルタミドを追加承認の画像

FDAが転移のない前立腺がんにエンザルタミドを追加承認

米国国立がん研究所(NCI) がん研究ブログ前立腺がんの治療選択肢は過去10年間で爆発的に増えた。その流れは留まる気配がなく、最近では米国食品医薬品局(FDA)がエンザルタミド(販売名...