アビラテロン+プレドニゾン併用は化学療法未治療の去勢抵抗性前立腺癌患者の生存期間を延長し疼痛を緩和する
キャンサーコンサルタンツ
プレドニゾンにアビラテロン(ザイティガ)を追加することによって、化学療法未治療の去勢抵抗性前立腺癌(HRPC)患者の生存期間が、有意に改善される。COU-AA-302の最終結果がLancet Oncology誌に報告され、HRPC男性患者に対する新たな治療選択の道が開かれた[1]。
前立腺癌はホルモン感受性疾患であり、アンドロゲン除去療法(ADT)によって長期にわたり制御することが可能である。この治療法に反応しなくなったものを、去勢抵抗性前立腺癌(HRPC)と呼んでいる。転移性HRPCは、癌が遠隔転移し、標準のホルモン療法が奏効しないため、治療困難な疾患である。
アビラテロンは、精巣からだけではなく副腎および腫瘍自体からのアンドロゲン(テストステロンのような男性ホルモン)産生を阻止する経口分子標的薬である。化学療法未治療の転移性HRPC患者では、プレドニゾンにアビラテロンを追加すると、プレドニゾンを単独で用いる場合に比べて、患者の自己申告による疼痛の進行および健康関連QOLの悪化が遅延されることがこれまでに示されている[2]。
今回の臨床試験では、化学療法による前治療を受けていない無症候性または軽症のHRPC患者1,088人を、アビラテロン+プレドニゾン投与群とプレドニゾン+プラセボ゙投与群に割り付け、直接比較している。
治療開始から約4年にわたり患者を追跡したところ、生存期間は対照群の30.3カ月に対して、アビラテロン投与群は34.7カ月であった。試験ではこのほか、アビラテロンが医療用麻薬オピオイド使用までの期間を10カ月引き延ばすことが明らかになった(33.4カ月対23.4カ月)。
試験担当者らは、アビラテロンによる治療はプレドニゾン単独療法と比較して、臨床的にも統計学的にも有意な差で、全生存期間を引き延ばすとの結論を下した。化学療法未治療の転移性HRPC患者にとってこの試験結果は、アビラテロンがより安全であることをさらに裏づけるものである。
参考文献:
1. Ryan C, Smith M, Fizazi K, et al. Abiraterone acetate plus prednisone versus placebo plus prednisone in chemotherapy-naive men with metastatic castration-resistant prostate cancer (COU-AA-302): final overall survival analysis of a randomised, double-blind, placebo-controlled phase 3 study. The Lancet Oncology. Volume 16, No. 2, p152–160, February 2015.
2. Basch E, Autio K, Ryan CJ, et al: Abiraterone acetate plus prednisone versus prednisone alone in chemotherapy-naive men with metastatic castration-resistant prostate cancer: patient-reported outcome results of a randomized phase 3 trial. The Lancet Oncology. 2013; 14(12):1193-1199.
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