アフリカ系アメリカ人男性の早発性脱毛症は前立腺癌に関連する可能性
• アフリカ系アメリカ人の男性は前立腺癌の発症リスクが高い
• 60歳未満の禿げ頭のアフリカ系アメリカ人男性で、前立腺癌の発症リスクが最も高かった
• 前頭部脱毛では重度の前立腺癌のリスクが増加した
米国癌学会の学術誌Cancer Epidemiology, Biomarkers & Prevention誌に発表されたデータによると、アフリカ系アメリカ人男性では、脱毛症が前立腺癌のリスク増加に関連し、若年齢の脱毛症や脱毛症の種類によって進行前立腺癌のリスクが増加していた。
「われわれがアフリカ系アメリカ人男性に注目したのは、前立腺癌の発症リスクが高く、米国の他の集団と比べて前立腺癌で死亡する確率が2倍を上回るからです」と、ペンシルベニア大学臨床疫学・生物統計センター(フィラデルフィア)の特任助教であるCharnita Zeigler-Johnson医学博士は述べた。「アフリカ系アメリカ人男性は、転帰が思わしくない高リスク前立腺癌のグループです。しかし、アフリカ系アメリカ人男性における前立腺癌の潜在的リスク因子として脱毛症の評価に的を絞った研究はこれまでに発表されていません」。
Zeigler-Johnson氏らは、1998年から2010年までの間にStudy of Clinical Outcomes, Risk and Ethnicity(SCORE)試験に登録された参加者の中から、318人の前立腺癌男性および219人の対照男性を同定した。全員がアフリカ系アメリカ人であり、その脱毛症の程度はさまざまであった。質問票を用い、脱毛の種類(なし、前頭部、または頭頂部)およびその他の病歴に関する情報を入手した。
研究者らは、脱毛症がその種類にかかわらず前立腺癌リスクを69%増大させることを確認した。特に、前頭部脱毛のアフリカ系アメリカ人男性では、進行前立腺癌と診断される確率が2倍を上回ったが、頭頂部脱毛ではこの傾向は認められなかった。この関連性は60歳未満の時点で前立腺癌と診断された男性でより強く、高ステージの前立腺癌である確率は6倍、高悪性度の前立腺癌である確率は4倍の増加がみられた。
また、若年の前立腺癌患者のうち、前頭部脱毛の男性では、診断時に前立腺特異抗原が高レベルである傾向がより強かった。
「早発性脱毛症は、アフリカ系アメリカ人男性の特に若年者において、早期発症型前立腺癌のリスク因子となり得ます」と、Zeigler-Johnson氏は述べた。「われわれが得た結果が今後の研究で確認されるまでの間も、一部の男性集団で早発性脱毛症を前立腺癌のリスク増加の臨床指標として用いることができる可能性があります」。
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