FDAが進行前立腺癌男性に対する免疫細胞製剤プロベンジを承認
FOR IMMEDIATE RELEASE: 2010年4月29日
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FDAが進行前立腺癌男性に対する免疫細胞製剤プロベンジを承認
米国食品医薬品局(FDA)は本日(4月29日)、一部の進行前立腺癌男性に対して、同疾患を攻撃させるために患者自身の免疫系を利用する新治療薬プロベンジ[Provenge](sipuleucel-T)を承認した。
プロベンジは、無症候性または症状の少ない前立腺癌患者のうち、前立腺以外の部位への転移が認められて標準的なホルモン治療に抵抗性を示す場合の治療に適応とされる。
前立腺癌は、米国内の男性において皮膚癌に続き2番目に多い癌であり、高齢男性で多く発症する。米国国立癌研究所(NCI)によると、2009年では推定192,000人が新たに前立腺癌と診断され、約27,000人が同疾患により死亡した。
FDAの生物製剤評価研究センター(Center for Biologics Evaluation and Research)局長代理のKaren Midthun医師は、「プロベンジを利用できるようになることで、現在有効な治療法が限られている進行前立腺癌男性は新たな治療選択肢を得られる」と述べた。
プロベンジは自己細胞による免疫細胞製剤であり、患者自身の免疫系を刺激して癌に対して反応させることを目的としている。プロベンジの各製剤は、白血球アフェレーシスとして知られる工程で機器を使用して患者の血液から免疫細胞を採取することで製造される。癌に対する反応を強化するため、大半の前立腺癌に存在しているタンパク質を免疫刺激物質と結合させたものに免疫細胞を曝露させる。この工程の後、同細胞を患者に戻して前立腺癌を治療する。プロベンジは、約2週間の間隔で3回静脈内投与する。
プロベンジの有効性は、ランダム化二重盲検プラセボ対照多施設共同試験にてホルモン治療抵抗性転移性前立腺癌患者512人を対象に評価された。同試験での全生存期間は4.1カ月延長、生存期間の中央値は、プロベンジ投与患者で25.8カ月、プロベンジ非投与患者で21.7カ月であった。
プロベンジ投与患者の大半で数種類の有害反応が認められた。高頻度に報告された有害反応は、悪寒、倦怠感、発熱、背部痛、悪心、関節痛および頭痛であった。有害事象の大半は、軽度や中等度の重症度であった。プロベンジ投与患者の約1/4で報告された重篤な副作用は、急性注入部位反応および脳卒中であった。出血性脳卒中や虚血性脳卒中などの脳血管事象の発現率は、プロベンジ投与群で3.5%、対照群で2.6%であった。
プロベンジはシアトルに拠点を置くDendreon社が製造している。
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齊藤 芳子 訳
榎本 裕(泌尿器科医)監修
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