FDAが進行前立腺癌の新たな治療薬Jevtana〔ジェブタナ〕を承認
FOR IMMEDIATE RELEASE:2010年6月17日
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FDAが進行前立腺癌の新たな治療薬Jevtana〔ジェブタナ〕を承認
米国食品医薬品局(FDA)は本日(6月17日)、前立腺癌患者の治療を目的としてステロイドプレドニゾンと併用する化学療法薬Jevtana〔ジェブタナ〕(cabazitaxel〔カバジタキセル〕)を承認した。Jevtanaは、進行前立腺癌の治療に広く使用されているドセタキセルの投与中または投与後に増悪するホルモン不応性進行前立腺癌の最初の治療薬である。
前立腺癌では、男性ホルモンのテストステロンが前立腺腫瘍の増殖を引き起こす。薬物、手術またはその他のホルモンはテストステロン生成を抑制またはテストステロンを遮断するために使用されている。ホルモン不応性前立腺癌を有している患者もいるが、これはテストステロンが抑制されているにもかかわらず前立腺癌細胞が増殖し続けることを意味する。このタイプの癌を有している男性患者には異なる治療が必要である。
JevtanaはFDAの優先審査プログラムに基づいて審査された。同プログラムでは、治療に大きな進歩を与えるかまたは適切な治療が存在しない際の治療薬となりうる薬剤を対象として、6カ月間の迅速審査を実施する。Jevtanaはその承認目標日2010/09/30よりも早く承認された。
FDA医薬品評価・研究センターの抗腫瘍薬製品室所長Richard Pazdur医師は、「このような疾患において患者はほとんど治療の選択の余地がない。FDAは前立腺癌患者がJevtanaを速やかに使用できるよう、11週間で本剤の承認申請を検討し、承認することができた。」と述べた。
Jevtanaの安全性および有効性は755人の患者を対象とした1つの試験で立証された。本試験に参加した患者はすべてドセタキセルの投与を受けたことがあった。本試験はプレドニゾンと併用でJevtanaの投与を受けた患者とプレドニゾンと併用で化学療法薬ミトキサントロンの投与を受けた患者の全生存期間(死亡するまでの期間)を測定するようにデザインされた。Jevtana療法を受けた患者の全生存期間中央値は15.1カ月で、ミトキサントロン療法を受けた患者は12.7カ月であった。
Jevtanaの投与を受けた患者に発現した副作用には、感染防御を担う白血球減少(好中球減少症)、貧血、白血球数減少(白血球減少症)、血中の血小板低値(血小板減少症)、下痢、疲労、悪心、嘔吐、便秘、脱力(無力症)および腎不全があった。
通常高齢の男性に発症する前立腺癌は、米国の男性においては皮膚癌に次いで2番目に多い癌である。疾病対策予防センター(CDC)によれば、最新の統計データが入手可能な2006年には、203,415人の男性に前立腺癌が発症しており、これにより28,372人が死亡している。
Jevtanaはニュージャージー州Bridgewaterのサノフィ・アベンティス社が販売している。
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滝澤 美樹 訳
榎本 裕(泌尿器科医)監修
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