GVAX/GVAX®とIpilimumabの併用は、ホルモン抵抗性前立腺癌で有望な作用を提供
キャンサーコンサルタンツ
2006年6月
アムステルダムの研究者らによって、ホルモン抵抗性前立腺癌の治療において、GVAXとIpilimumab(MDX-010)併用の治療で有望な結果が報告された。第1相試験でのこれらの結果は、2006年American Society of Clinical Oncology(ASCO:米国臨床腫瘍学会)の年次総会で発表された。
HRPC(ホルモン治療抵抗性前立腺癌)の男性に対しては、効果的で忍容性のよい治療選択肢の必要性が依然として残されている。GVAXは、患者に非特異的な2つの遺伝子組み換え前立腺癌細胞株であるLNCap細胞とPC-3細胞を含む、全腫瘍細胞で構成される免疫療法薬である。これらの細胞系は、転移性前立腺癌でみられる多くの共通抗原を含んでいる。こうした細胞は、その細胞系で使われる抗原に全身性の免疫反応を刺激するために顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)を分泌するよう修正されている。
GVAXは、外来ベースで皮下投与され、HRPCの男性向けに「即利用できる」医薬品として販売を目指している。GVAXは2つの第3相試験、VITAL-1とVITAL-2で現在評価中であり、米国食品医薬品局(FDA)によって、先ごろ優先審査指定を受けた。
Ipilimumabは、CTLA-4を標的とした完全なヒト化抗体である。CTLA-4は、体の免疫反応抑制の役割を担うとされているT細胞上に発現する分子である。Ipilumumabは、転移性メラノーマにおける第二選択治療として、FDAで2つのSpecial Protocol Assessment(SPA:新薬申請の基礎として行われる臨床試験のデザインと規模に関する正式な合意)協定のもと、2つの登録された試験を始め、さまざまな癌種に行われている複数の臨床試験で評価中である。
最近の第1相試験は12人のHRPC患者において、GVAXとipilimumab併用の用量増加を評価している。このうち6例は、最適な結果がもたらされると確認された用量で治療を受けており、各薬剤を個々に評価する第3相試験に参加することになっている。
- 至適用量で治療を受けた6例のうち、5例は、少なくとも2ヵ月続いた前立腺特異抗原(PSA)濃度が50%以上減少した。そのうち2例は、PSA値に95%の減少がみられた。
- 重要なことに、PSA反応者5例のうち3例は、骨シンチグラフィでみられた複数の骨病変の改善、骨転移による痛みの改善、コンピューター断層撮影(CT)スキャンでみられた腹部リンパ節疾患の回復といった抗腫瘍作用を示した。
- さらに、GVAX と低用量のipilimumab投与を受けた他の6例のうち66%においても、2ヵ月間以上PSA値測定で病勢の安定がみられた。
- 用量制限毒性はみられなかった。
研究者らは、GVAXとipilimumabの併用治療がHRPC治療に有望とみられると結論した。今後、この組合せを検討し、他の治療選択と比較する、より大規模な臨床試験が行われれば、HRPC男性にとって正確な臨床的有用性を判断する一助となるであろう。
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