経口Satraplatinは転移性前立腺癌に有効で、忍容性は良好

キャンサーコンサルタンツ
2007年5月

経口satraplatinが、転移性前立腺癌の治療に忍容性良好で、かつ効果的であることを、SPARC (再発性癌に対するサトラプラチンとプレドニゾン) 臨床実験に関連のある研究者らが報告した。プラセボ対照第3相試験の詳細は、5月に2007年度American Urological Association(米国泌尿器学会)で発表された。

Satraplatinは、第3世代の白金化合物で、現在、米国食品医薬品局(FDA)の承認を待っている。今回の研究は、以前に化学療法レジメンに失敗した転移性前立腺癌の男性950名を、satraplatinと制吐剤とプレドニゾン服用群、またはプラセボと制吐剤とプレドニゾン服用群に無作為に振り分けた。Satraplatinを服用した患者らに、40%の病気進行低下があったことを著者らは報告した。無進行生存期間の中央値は、対照群の9.7週間と比較して、11週間であった。

Satraplatin群の患者らに、より良好な痛みの緩和、および、より大きなPSA奏功率があったことも、著者らは報告した。疼痛が進行するまでの中央値は、satraplatin群では66週間、対照群では22週間であった。6ヵ月後、satraplatin群の30%、そしてプラセボ群の17%が病気進行なしで、12ヵ月後はそれぞれ16%と7%であった。最もよくみられたsatraplatinの有害事象は、血小板減少症、好中球減少症、吐き気、嘔吐、および下痢であり、いずれも概して軽度から中等度であった。Satraplatinには、難治性のホルモン非依存性前立腺癌において、有意な症状緩和効果があった、と著者らは結論を出した。

コメント:
Satraplatinの大きな利点の一つが、経口での投与が可能で、さらに有意な症状緩和をもたらすことだ。

参考文献

Sartor O, Sternberg C, Witjes JA, et al. Satraplatin significantly improves progression free survival (PFS) and pain control in patients with advanced hormone-refractory prostate cancer (HRPC): Preliminary results from the phase III SPARC trial. Proceedings of the 2007 meeting of the American Urological Association; Abstract #1014.

2007年ASCO抄録No5019


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翻訳担当者 下和田 篤子

監修 榎本 裕(泌尿器科医)

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