Zytiga(アビラテロン)は進行前立腺癌に伴う倦怠感を軽減する
キャンサーコンサルタンツ
タキソテール(ドセタキセル)の投与歴がある転移性ホルモン抵抗性前立腺癌患者では、Zytiga(アビラテロン)の投与により、全生存期間が延長したほか、倦怠感も軽減した。この結果は、2011年の欧州合同癌学会(European Multidisciplinary Cancer Congress)で発表された。
前立腺癌は、ホルモンの影響を受けやすい疾病で、多くの場合、アンドロゲン除去療法(ADT)により長期間コントロールが可能である。この療法に反応しなくなった前立腺癌をホルモン抵抗性前立腺癌という。転移性ホルモン抵抗性前立腺癌は、癌細胞が身体の遠隔部位に転移し、標準ホルモン療法に反応しない難治性の疾病である。
アビラテロンは経口投与の薬剤で、精巣だけでなく、両副腎および腫瘍自体によるアンドロゲン(テストステロンなどの男性ホルモン)の産生を阻止する。アビラテロンは、化学療法の治療歴がある、転移性ホルモン抵抗性前立腺癌患者の治療において、プレドニゾンとの併用が承認されている。このような癌患者については、プレドニゾンの単独投与より、アビラテロンとプレドニゾンの併用投与の方が、全生存期間が延長することが明らかになった。
倦怠感(進行前立腺癌の患者によく見られる、消耗を引き起こす症状)に対するアビラテロンの有用性を評価するために、研究者らはアビラテロンを対象とした臨床試験の1つから情報を評価した。評価した情報は、アビラテロンとプレドニゾンを併用投与した患者797人と、プレドニゾンを単独投与した患者398人のものであった。この2群の倦怠感スコアは、試験開始時点で同等であった。
- アビラテロン併用群の患者では、倦怠感が軽減する傾向が強く、軽減するまでの期間も短かった。
倦怠感は進行性の癌患者によく見られる症状で、QOL(生活の質)に深刻な影響を及ぼす恐れがある。この調査結果は、アビラテロンにより、全生存期間が延長するほか、進行前立腺癌患者の倦怠感を軽減できることを示唆している。
参考文献:
Sternberg CN, Scher HI, Molina A et al. Fatigue improvement/reduction with abiraterone acetate in patients with metastatic castration-resistant prostate cancer (mCRPC) post-docetaxel – results from the COU-AA-301 phase 3 study. Presented at the 2011 European Multidisciplinary Cancer Conference. Stockholm, Sweden. September 23-27, 2011. Abstract 7015.
c1998- CancerConsultants.comAll Rights Reserved. These materials may discuss uses and dosages for therapeutic products that have not been approved by the United States Food and Drug Administration. All readers should verify all information and data before administering any drug, therapy or treatment discussed herein. Neither the editors nor the publisher accepts any responsibility for the accuracy of the information or consequences from the use or misuse of the information contained herein. Cancer Consultants, Inc. and its affiliates have no association with Cancer Info Translation References and the content translated by Cancer Info Translation References has not been reviewed by Cancer Consultants, Inc. 本資料は米国食品医薬品局の承認を受けていない治療製品の使用と投薬について記載されていることがあります。全読者はここで論じられている薬物の投与、治療、処置を実施する前に、すべての情報とデータの確認をしてください。編集者、出版者のいずれも、情報の正確性および、ここにある情報の使用や誤使用による結果に関して一切の責任を負いません。 Cancer Consultants, Inc.およびその関連サイトは、『海外癌医療情報リファレンス』とは無関係であり、『海外癌医療情報リファレンス』によって翻訳された内容はCancer Consultants, Inc.による検閲はなされていません。 |
原文掲載日
【免責事項】
当サイトの記事は情報提供を目的として掲載しています。
翻訳内容や治療を特定の人に推奨または保証するものではありません。
ボランティア翻訳ならびに自動翻訳による誤訳により発生した結果について一切責任はとれません。
ご自身の疾患に適用されるかどうかは必ず主治医にご相談ください。
前立腺がんに関連する記事
前立腺がんにおけるテストステロンの逆説的効果を解明
2024年11月20日
一部の生化学的再発前立腺がんに、精密医薬品オラパリブがホルモン療法なしで有効な可能性
2024年9月18日
転移性前立腺がん試験、アンドロゲン受容体経路阻害薬の変更よりも放射性リガンド療法を支持
2024年5月17日
転移性前立腺がんに生物学的製剤SV-102とデバイスの併用免疫療法SYNC-Tは有望
2024年4月30日