2007/03/27号◆注目の臨床試験「PSA値のみの進行性前立腺癌に対するCilengitide 」
同号原文|
NCI Cancer Bulletin2007年03月27日号(Volume 4 / Number 13)
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◇◆◇注目の臨床試験 ◇◆◇
PSA値のみの進行性前立腺癌に対するCilengitide
◇臨床試験名
限局性アンドロゲン非依存性前立腺癌の患者に対するCilengitideの第2相試験。プロトコールの要旨はhttp://www.cancer.gov/clinicaltrials/CCUM-2004-045を参照。
◇臨床試験責任医師
ミシガン大学総合癌センターのMaha Hussain医師
◇試験の概要
前立腺癌は、通常、最初は体内で男性ホルモンの値を減らす治療(抗アンドロゲン療法)に反応を示す。しかしほとんどの前立腺癌は、結局、男性ホルモンが欠乏しても増殖を続ける(アンドロゲン非依存性前立腺癌)。
血液中の前立腺特異抗原(PSA)値を測定することは、治療に対する前立腺癌の反応を調べるためにしばしば用いられる。PSA値の上昇は、前治療で癌細胞を取り除くもしくは破壊したにもかかわらず、活発な癌細胞が体内に残っているかもしれないことを示している。PSA値の上昇は、しばしば、前立腺癌がまだ増殖をしている唯一のシグナルとなる(PSA値のみの進行)。
この試験は、抗アンドロゲン療法を行ったにも関らずPSA値のみの進行がみられる男性にたいして、Cilengitideと呼ばれる薬で治療を行うものである。Cilengitideは、前立腺癌細胞の表面にあって、癌細胞が血流に出入りしたり、潜在的な転移箇所にくっついたり、そして、新しい血管の形成(血管新生)を促進したりする能力を果たす役割を持つかもしれないintergrinと呼ばれる受容体タンパク質をブロックする。PSA値の安定もしくは低下は、Cilengitideがこれらの患者の前立腺癌の増殖をコントロールする助けとなることが出来る可能性があることを示している。
「進行性前立腺癌の男性患者は治癒は不可能であり、そして標準治療が確立されていない」とHussain医師は述べた。「私たちの期待は、Cilengitideが、癌細胞が拡がること、および最も一般的な前立腺癌の転移箇所である骨に付着することを防ぎ、また、新しい血管を形成する能力を止めることで、微小転移癌細胞を抑える助けができることである。」
◇試験の参加基準
前立腺癌と診断され抗アンドロゲン療法にも関らずPSA値が上昇している男性32人が参加する。参加基準のリストはhttp://www.cancer.gov/clinicaltrials/CCUM-2004-045を参照。
◇試験を行っている施設と問合せ先
米国の臨床試験施行施設では、この試験に参加する患者を募集している。問合せ先一覧はhttp://www.cancer.gov/clinicaltrials/CCUM-2004-045を参照するか、米国国立癌研究所の癌情報サービス1-800-4-CANCER (1-800-422-6237)に電話のこと。このフリーダイヤルへの通話内容については秘密厳守である。
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Nogawa 訳
林 正樹 (血液・腫瘍科) 監修
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