免疫療法薬が一部の陰茎がんに有効である可能性
ダナファーバーがん研究所
研究概要
表題
進行陰茎がんにおける免疫チェックポイント阻害薬の安全性と有効性:世界泌尿生殖器希少腫瘍学会(Global Society of Rare Genitourinary Tumors)からの報告
出版物
Journal of the National Cancer Institute誌
著者
Talal El Zarif医師、Toni K. Choueiri医師(ダナファーバーがん研究所)
要旨
陰茎がんはまれな疾患であり、米国での新規症例は毎年約2070例である。治療の選択肢は限られており、通常はプラチナ製剤による化学療法から始める。免疫チェックポイント阻害薬(ICI)は、複数のがん種で有効な新規治療薬であるが、陰茎がんでは十分な研究がなされていない。陰茎がんに対する免疫チェックポイント阻害薬を評価する臨床試験は、陰茎がんが非常にまれであるため、実施が困難である。ダナファーバーがん研究所、イェールがんセンター、アドベントヘルスなどの研究者らによって、進行陰茎がん患者92人を対象とした多施設国際後ろ向きコホート研究が行われ、免疫チェックポイント阻害薬の有効性を評価した。最も多く投与された免疫チェックポイント阻害薬はペムブロリズマブ(販売名:キイトルーダ)、ニボルマブ(オプジーボ)、セミプリマブ(リブタヨ)であったが、ニボルマブとイピリムマブ(ヤーボイ)の併用療法を受けた患者もいた。全患者の13%、およびリンパ節転移を有する患者の35%が免疫チェックポイント阻害薬による治療に反応した。免疫チェックポイント阻害薬による効果が持続した例はほとんど見られなかった。
結果
この後ろ向き研究は、免疫チェックポイント阻害薬が有効な陰茎がん患者の集団を明らかにした。免疫チェックポイント阻害薬が有効な患者とそうでない患者がいる理由を解明するには、さらなる研究が必要である。
資金提供
本研究に対して資金は提供されていない。
- 監訳 加藤恭郎(緩和医療、消化器外科、栄養管理、医療用手袋アレルギー/天理よろづ相談所病院 緩和ケア科)
- 翻訳担当者 奥山浩子
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- 原文掲載日 2023/08/11
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