精巣腫瘍に対する検診はいまだ推奨段階に至っていない

キャンサーコンサルタンツ

研究者らは2004年の米国予防医療作業部会(USPSTF)の、精巣腫瘍の症状のない男性の検診は推奨段階でないという現行の結果は支持されると結論した。これらの知見は最新版Annals of Internal Medicine 誌に発表された。[1]

精巣は陰嚢(陰茎直下のしわの多い皮膚の袋)の中に位置する。精巣腫瘍は生殖細胞癌とも呼ばれ、片側または両側の精巣の組織に発生する。精巣腫瘍は比較的発生はまれで、治癒率がかなり高く、主に青年期から中年期の男性に発生する。精巣腫瘍の発生率は欧米諸国において増加しており、米国では1975年から2002年までに精巣腫瘍の発生率は2倍になった。2004年にUSPSTFは精巣腫瘍の症状のない男性に対する検診は有益ではないと結論づけた。同委員会は精巣癌検診ガイドラインを変更する必要性の有無を決定するため、最近のデータを評価した。

研究者らは精巣腫瘍検診のリスクおよび有益性を決定するため、ランダム化試験、母集団解析、系統的レビュー などの発表済みの研究、および追加データベースを評価した。収集したデータの評価の結果、2004年のUSPSTFの無症状の男性に対する精巣腫瘍検診は有益性がないという結論は有効であった。検診のリスクおよび有益性について追加の方法は確定されなかった。

これらの検診不要の勧告は無症候性の男性(精巣腫瘍の症状のない男性)のみに当てはまる。精巣腫瘍の症状がある男性には担当医療従事者と症状について相談するよう勧めている。

参考文献:
[1] Lin K and Sharangpani R. Clinical Guidelines: Screening for Testicular Cancer: An Evidence Review for the U.S. Preventive Services Task Force. Annals of Internal Medicine. 2010;153:396-399.


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翻訳担当者 芝原広子

監修 辻村信一 (獣医学/農学博士、メディカルライター)

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