進行腎細胞癌の一次治療にテムシロリムスまたはIFNαまたは両剤併用の第3相ランダム化比較試験

A phase 3, randomized, 3-arm study of temsirolimus(TEMSR) or interferon-alpha(IFN) or the combination of TEMSR + IFN in the treatment of first-line, poor-risk patients with advanced renal cell carcinoma(adv RCC)

サブカテゴリー:腎癌
カテゴリー:泌尿生殖器癌
ミーティング:2006年度ASCO年次総会

アブストラクトNo.:LBA4

引用:Journal of Clinical Oncology, 2006 ASCO Annual Meeting Proceedings Part I. Vol 24, No. 18S(June 20 Supplement), 2006: LBA4


アブストラクト

背景:
Temsirolimus(TEMSR、CCI-779)は、細胞増殖と血管形成を調節するシグナル伝達タンパクであるmTORの特異的阻害剤である。かなりの治療をこれまでに受けた進行RCC患者(n=111)を対象とする第2相試験で、TEMSR単独投与で生存期間中央値15.0カ月を認めている(Atkinsら、J Clin Oncol 2004)。レトロスペクティブ的に、49名の患者が予後不良グループにカテゴリー分けされた(Motzerら、J Clin Oncol 2002)。このグループにおいてTEMSR治療を受けた患者は、第一選択でIFN治療を受けた予後不良グループよりも1.7倍の生存期間中央値が認められたことがMotzerらによって報告された。第1相試験では、進行RCC患者におけるTEMSR+IFN併用の最大耐量は、TEMSR 15mg静注(IV)週1回+IFN 6百万単位(MU)皮下注(SC)週3回(TIW)(Smithら、Proc ASCO 2004)であった。上記で述べたように、予後不良進行RCC患者の第一選択治療におけるこの第3相試験は、2003年7月に開始された。

試験方法:
進行RCCで、これまでに全身療法を受けていない、6つのリスク・ファクターのうち3つ以上を持つ場合(5つはMotzerの基準と1箇所以上の転移部位)、このオープンラベル試験に登録された。患者は、IFNを18MU SC TIWまで投与する1群、TEMSRを25mg IV週1回を投与する2群、または、TEMSRを15mg IV週1回+IFNを6MU SC TIWを投与する3群にランダムに割り付けられた(1:1:1)。主要試験評価項目は、生存期間であり、その試験は、TEMSR群とIFN群の効果を比較できるようにデザインされた。

結果:
われわれはIDMCにより実施された中間分析からの、2006年3月20日の予備的なデータを報告する。登録した626名の患者のうち、442名が死亡となった。TEMSRで治療を受けた患者は、IFNで治療を受けた患者よりも統計学的に生存期間が長いことが認められた(表参照)。IFNとTEMSR+IFNで治療を受けた患者の生存期間は、統計学的に差はなかった。グレード3以上の有害事象の発現頻度が高い上位3つは、衰弱(1群:2群:3群、3.27%:12%:30%)、貧血(24%:21%:39%)、および呼吸困難(8%:9%:11%)であった。

結論:
TEMSR単剤投与は、予後不良進行RCC患者の第一選択治療で、IFNと比較して、優位に生存率を増加し、その安全性は受け入れられるものであった。

治療群ごとの全生存率

 

IFN(1

TEMSR(2

TEMSR + IFN(3

N

207

209

210

死亡、n(%)

149(34)

141(32)

152(34)

生存期間、中央値(95% CI)、月

7.3(6.1, 8.9)

10.9(8.6, 12.7)

8.4(6.6, 10.2)

プロトコールで定められた比較

NA

2群:1群

3群:1群

生存期間、ハザード比(95% CI)

NA

0.73(0.57, 0.92)

0.95(0.76, 1.20)

生存期間、ログランク検定p

NA

0.0069

0.6912

NA:非適用

翻訳担当者 湖月みき

監修 瀬戸山修(薬学)

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原文掲載日 

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