FDAが再発/難治性進行腎細胞がんにチボザニブを承認
2021年3月10日、米国食品医薬品局(FDA)は、2種類以上の全身療法後の再発/難治性進行腎細胞がん(RCC)の成人患者に対し、キナーゼ阻害剤であるチボザニブ(販売名:Fotivda、AVEO Pharmaceuticals, Inc.社)を承認した。
有効性は、TIVO-3試験(NCT02627963)において評価された。本試験は、チボザニブとソラフェニブを比較する無作為化(1:1)非盲検多施設共同試験で、ソラフェニブまたはチボザニブ以外のVEGFRキナーゼ阻害剤を1種類以上含む全身療法を2~3種類受けた再発/難治性進行腎細胞がん(RCC)患者を対象とした。患者は、チボザニブ1.34mgを1日1回、28日ごとに21日間連続して経口投与する群と、ソラフェニブ400mgを1日2回連続して経口投与する群に無作為に割り付けられた。投与は、疾患進行または忍容できない毒性が認められるまで継続した。
主要有効性評価項目は無増悪生存期間(PFS)で、盲検化された独立放射線評価委員会によって評価された。その他の有効性評価項目は、全生存期間(OS)および奏効率(ORR)であった。
無増悪生存期間(PFS)中央値は、チボザニブ投与群(n=175)で5.6カ月(95%信頼区間[CI]:4.8~7.3)であったのに対し、ソラフェニブ投与群では3.9カ月(95%CI:3.7~5.6)であった(ハザード比[HR] 0.73、95%CI:0.56~0.95、p=0.016)。全生存期間(OS)中央値は、チボザニブ投与群で16.4カ月(95%CI:13.4~21.9)、ソラフェニブ投与群で19.2カ月(95%CI:14.9~24.2)であった(HR 0.97、95%CI:0.75~1.24)。奏効率(ORR)は、チボザニブ投与群で18%(95%CI:12%~24%)、ソラフェニブ投与群で8%(95%CI:4%~13%)であった。
最も多くみられた(20%以上)副作用は、疲労、高血圧、下痢、食欲減退、悪心、発声障害、甲状腺機能低下症、咳、口内炎であった。最も多くみられたグレード3または4の臨床検査値異常(5%以上)は、ナトリウムの低下、リパーゼの上昇、リン酸の低下であった。
チボザニブの推奨用量は、(食事の有無にかかわらず)1日1回1.34mgであり、28日ごとに21日間連続して投与し、疾患進行または忍容できない毒性が認められるまで継続する。
Fotivdaの全処方情報はこちらを参照。
FDAは、本申請をFDA目標期日より3週間前に承認した。
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