FDAが腎細胞がんにニボルマブ+カボザンチニブを承認

2021年1月22日、米国食品医薬品局(FDA)は、ニボルマブ(販売名:オプジーボ、Bristol-Myers Squibb Co.社)とカボザンチニブ(販売名:カボメティクス、Exelixis社)の併用療法を進行腎細胞がん(RCC)患者の初回治療として承認した。 

有効性は未治療の進行腎細胞がん(RCC)患者を対象としたランダム化非盲検試験であるCHECKMATE-9ER試験(NCT03141177)で評価された。患者は、2週間ごとの30分にわたるニボルマブ240mg投与と併用して、カボザンチニブ40mgを1日1回経口投与する群(n=323)、またはスニチニブ50mgを6週間サイクルの最初の4週間に1日1回経口投与する群(4週間投与後、2週間休薬)(n=328)に無作為に割り付けられた。

本試験では、ニボルマブ+カボザンチニブ併用療法を受けた患者において、スニチニブを投与された患者と比較して、無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)、確定全奏効率(ORR)が統計学的に有意に改善されたことが示された。盲検下独立中央評価(BICR)によるPFS中央値は16.6カ月対8.3カ月(ハザード比[HR] 0.51、95%信頼区間[CI]:0.41~0.64)であった。両群ともOS中央値には未到達であった(HR 0.60、95%CI:0.40~0.89)。BICRあたりの確定ORRは、ニボルマブ+カボザンチニブ群で55.7%、スニチニブ群で27.1%であった。

ニボルマブとカボザンチニブの併用投与を受けた患者に最もよくみられた副作用(20%以上)は、下痢、倦怠感、肝毒性、手足症候群、口内炎、発疹、高血圧、甲状腺機能低下、筋骨格痛、食欲減退、悪心、味覚障害、腹痛、咳、上気道感染症であった。

推奨用量は、ニボルマブ240mgを2週間に1回(30分点滴静注)、または480mgを4週間に1回(30分点滴静注)をカボザンチニブ40mgを1日1回、食事なしで経口投与と併用し、疾患進行または許容できない毒性が認められるまで投与する。

オプジーボの全処方情報はこちらを参照。

カボメティクスの全処方情報はこちらを参照。

ニボルマブの審査には、臨床に関するあらゆる申請の出願に先立ちデータの提出を簡素化したReal-Time Oncology Review(RTOR)が使用された。ニボルマブおよびカボザンチニブの申請には、FDAによる評価を円滑に進めるために 申請者が自発的に申請するAssessment Aidが使用された。FDAは本申請を目標期日の約1カ月前に承認した。

ニボルマブの申請はファストトラック審査の指定を受けニボルマブおよびカボザンチニブの申請は優先審査の指定を受けた。FDA迅速承認プログラムに関する情報は、「企業向けガイダンス:重篤疾患のための迅速承認プログラム-医薬品およびバイオ医薬品」(the Guidance for Industry: Expedited Programs for Serious Conditions-Drugs and Biologics)に記載されている。

翻訳担当者 小縣正幸

監修 野長瀬祥兼(腫瘍内科/市立岸和田市民病院)

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