進行腎がんに対するベルズチファンの承認を支持する極めて重要な試験結果

研究タイトル

進行腎細胞がんに対するベルズチファンとエベロリムスの比較

掲載紙

New England Journal of Medicine誌 2024年8月22日

著者(ダナファーバーがん研究所)

Toni K. Choueiri医師

要約

LITESPARK-005第3相臨床試験では、免疫チェックポイント阻害薬(ICI)と抗血管新生療法の両方による治療後に進行した転移性淡明型腎細胞がん(ccRCC)患者746人が登録された。患者は、ベルズチファン[belzutifan](HIF-2α阻害剤)またはエベロリムス(販売名:アフィニトール)による治療を受ける群に無作為に割り付けられた。過剰なHIF-2αはがんを促進する活性の増加と関連している。本試験の2回目の中間解析では、中央値25.7カ月後、ベルズチファンを投与された患者は、エベロリムスを投与された患者に比べ、進行する可能性が25%低かった。結果は2023年に開催された欧州臨床腫瘍学会(ESMO)年次総会で発表され、New England Journal of Medicine誌に掲載されている。

意義

この非盲検ランダム化実薬対照試験のエビデンスに基づき、ベルズチファンは、免疫チェックポイント阻害薬(ICI)または抗血管新生療法による標準治療後の進行腎細胞がん(RCC)成人患者を対象として、米国食品医薬品局(FDA)から承認された。このHIF-2α阻害薬の承認は、進行RCCにおける新規治療メカニズムを有する薬剤に対するニーズに答えるものである。

資金提供

Merck Sharp & Dohme LLC社

  • 監訳 榎本裕(泌尿器科/三井記念病院)
  • 記事担当者 青山真佐枝
  • 原文を見る
  • 原文掲載日 2024/08/21

【免責事項】
当サイトの記事は情報提供を目的として掲載しています。
翻訳内容や治療を特定の人に推奨または保証するものではありません。
ボランティア翻訳ならびに自動翻訳による誤訳により発生した結果について一切責任はとれません。
ご自身の疾患に適用されるかどうかは必ず主治医にご相談ください。

腎臓がんに関連する記事

ヒトゲノムに潜伏するウイルスが腎臓がん免疫療法薬の新たな方向性を示唆の画像

ヒトゲノムに潜伏するウイルスが腎臓がん免疫療法薬の新たな方向性を示唆

研究タイトルHIFは翻訳された複数の内在性レトロウイルスを制御: がん免疫療法への示唆掲載誌Cell 誌 2025年2月28日 11:00am ET ...
進行腎がんにアベルマブ+アキシチニブ併用はスニチニブよりも優れる(第3相最終期解析)の画像

進行腎がんにアベルマブ+アキシチニブ併用はスニチニブよりも優れる(第3相最終期解析)

JAVELIN Renal 101試験の最終解析結果

未治療の進行腎細胞がん(RCC)患者を対象に実施された第3相JAVELIN Renal 101試験では、最終的な全生存率(OS)解析...
2025年ASCO泌尿生殖器がんシンポジウムで発表されたダナファーバー演題の画像

2025年ASCO泌尿生殖器がんシンポジウムで発表されたダナファーバー演題

ダナファーバーがん研究所の研究者らは、2025年2月13日から15日までカリフォルニア州サンフランシスコで開催される2025 ASCO泌尿生殖器(GU)がんシンポジウムで重要な研究成果...
個別化がんワクチンNeoVaxはステージIIIおよびIVの腎臓がんに有望の画像

個別化がんワクチンNeoVaxはステージIIIおよびIVの腎臓がんに有望

ダナファーバーがん研究所の研究者らは、ステージIIIまたはIVの淡明細胞型腎細胞がん(腎臓がんの一種)の治療を受けている臨床試験の患者9人全員が、個別化がんワクチン投与開始後に抗がん免...