ネクサバール(sorafenib、BAY43-9006)/Sorafenibが転移性腎細胞癌の無進行生存率を改善
キャンサーコンサルタンツ
2005年5月
フランスの研究者が2005年ASCO年次総会で以下の内容を発表しました。「生物薬sorafenib(BAY 43-9006)が転移性腎細胞癌の患者の治療に低毒性で無進行生存率を有意に改善しました」
細胞障害性の治療法の奏効は腎細胞癌の治療では低いです。転移性腎細胞癌の標準的な治療の選択肢は緩和的な手術、放射線療法や、インターロイキンまたはインターフェロンなどの免疫刺激剤からなります。しかし転移性腎細胞癌の長期間の全生存率は標準的な選択肢では低いです。この病気の患者にとって成果を改善するために新しい治療のアプローチが必要です。
進行性腎細胞癌のsorafenibでの治療を評価した今回の臨床試験は、769人の患者でsorafenibとプラセボの直接的な比較対照試験を第Ⅲ相、2重盲検、無作為化、多施設共同で行いました。sorafenibは血管内皮成長因子受容体(VEGF)を阻害し、さらにRafキナーゼも含めいくつかのチロシンキナーゼをも阻害することが知られています。今回の試験で患者は透明細胞腫瘍を持ちECOG(米国東海岸癌臨床試験グループ)の指標の一般状態PS0-1で、組織的な治療法を以前にひとつ行ない脳への転移はありません。sorafenibが400mgで一日二回投与されました。無進行生存期間の中央値はプラセボに比較してsorafenibの治療を行なった患者では2倍を示しました。(24週間対12週間でそれぞれp<0.00001)12週間では患者の79%がsorafenib群では無進行であり、それに対してプラセボでは50%の患者が無進行でした。sorafenibに関するもっとも一般的な副作用は高血圧、発疹、手足症候群そして下痢を含みました。sorafenibは概して忍容がしやすいとみなされています。
研究者はsorafenibが以前に一つ組織的な治療を受けている転移性腎細胞癌の患者で、毒性は忍容可能で無進行生存期間を有意に改善するという結論を導きました。全生存率のデータはデータがでそろったところで解析されるでしょう。
参考:
Escudier B, Szczylik C, Eisen T, et al. 進行性腎細胞癌腫のある患者でRafキナーゼやVEGFR阻害剤であるsorafenib(BAY 43-9006)の無作為化第Ⅲ相比較試験。2005年ASCO年次総会会議録。2005年5月13 日発表。抜粋#LBA4510
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