レブラミドは転移性腎細胞癌に有効

キャンサーコンサルタンツ
2006年12月

Cleveland Clinicの研究者らは、治療歴のない、または治療歴1回のみで奏効しなかった転移性腎細胞癌(MRCC)患者に、レブリミド®(レナリドマイド)が有効であると報告した。この研究の詳細は2006年12月1日号のCancerに記載されている。

20年以上の間、MRCCの主な治療はProleukin® (Il-2)とインターフェロンαであった。これら2種の薬剤は、ごくわずかな患者に完全寛解(CR)をもたらす可能性がある。最近になって、スーテント® (SU11248)、タルセバ®、アバスチン®、ネクサバール®、temsirolimus[テムシロリムス]などの生物製剤およびラパチニブなどがMRCC治療に有意な有効性を示すと報告されている。また、最近の小規模な研究により、Thalomid®(サリドマイド)が、MRCCに対するProleukinの奏効率を改善し得ることが示唆されている。その作用機序はIL-6とC反応性蛋白(CRP)の低下に関連があると仮定されてきた。

MRCCに対してThalomidが奏効するため、毒性の弱い類似体であるレブリミドを評価することは理にかなっていた。著者らは、MRCC患者28名をレブリミドを用いて治療した。うち、半数以上が事前に全身療法を、40%が事前に放射線療法を受け、43%は腎摘出術以外に前治療を受けなかった。3名が15カ月以上持続する部分奏効を示したと報告された。さらに、39%が不変またはいくらかの腫瘍縮小を3ヶ月間以上示した。13.5ヶ月の追跡において、生存期間中央値には到達しなかった。本分析の時点で全生存期間の中央値には到達しなかった。主な副作用は疲労感、皮膚障害、好中球減少であった。
Comments:レブリミドはMRCC治療に有効とみられ、Thalomidの研究で通常使用される、Proleukinのような薬剤と併用する必要がある。


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翻訳担当者 Yukku

監修 榎本 裕(泌尿器科)

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