米FDA、筋層浸潤性膀胱がんにデュルバルマブを承認
2025年3月28日、米国食品医薬品局(FDA)は、成人の筋層浸潤性膀胱がん(MIBC)に対し、根治的膀胱全摘除術の前にゲムシタビンおよびシスプラチンと、デュルバルマブ(販売名:イミフィンジ、アストラゼネカ社)による術前治療を行い、術後治療としてデュルバルマブ単剤を投与する治療を承認した。
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有効性と安全性
有効性はNIAGARA試験(NCT03732677)で評価された。NIAGARA試験は、無作為化非盲検多施設共同第3相試験で、根治的膀胱全摘除術の適応があり膀胱がんに対する全身療法を受けたことのない患者1,063人が登録された。患者は、術前治療としてデュルバルマブ+化学療法の併用療法を行い、術後デュルバルマブを投与する群か、術前化学療法と手術のみを行う群かに、無作為に割り付けられた(1:1)。
有効性の主要評価項目は無イベント生存期間(EFS)で、盲検下独立中央評価委員会により評価された。全生存期間(OS)は有効性の追加評価項目であった。事前に規定された中間解析において、本試験はEFSとOSにおいて統計学的に有意な改善を示した。EFS中央値は、デュルバルマブ+化学療法併用群で未到達(NR)(95%CI:NR、NR)、化学療法単独群で46.1カ月(95%CI:32.2、NR)であった(ハザード比0.68[95%CI:0.56、0.82];両側p値<0.0001)。OS中央値は両群とも未到達であった(ハザード比0.75[95%CI:0.59、0.93];両側p値=0.0106)。
有害事象は、デュルバルマブとプラチナ製剤ベースの化学療法との併用療法に関する過去の研究と一致していた。
体重30kg以上の患者に対するデュルバルマブの推奨用量は、化学療法と併用(術前治療)で3週間ごとに1,500mg、単剤(術後治療)で4週間ごとに1,500mgである。体重30kg未満の患者に対するデュルバルマブの推奨用量は、化学療法と併用(術前治療)で3週間ごとに20mg/kg、単剤(術後治療)で4週間ごとに20mg/kgである。治療は、根治手術が不可能な病勢進行、再発、許容できない毒性、または手術後最大8サイクルまで継続する。
- 監修 榎本 裕(泌尿器科/三井記念病院)
- 記事担当者 平沢沙枝
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- 原文掲載日 2025/03/28
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