アクトス(ピオグリタゾン):継続中の安全性審査—膀胱癌のリスク増加の可能性
内分泌科専門医、家庭医、泌尿器科専門医向け
2010年9月17日 問題点:FDAは医療従事者および患者に対し、アクトス(ピオグリタゾン)が膀胱癌のリスク増加と関連するかどうかを評価することを目的とした継続中の10年間疫学研究のデータを審査していると通達した。動物やヒトを対象とした試験の所見から、さらなる試験を必要とする安全性上のリスクの可能性が示唆されている。FDAは現時点で、アクトスによって膀胱癌のリスクが増加すると結論付けてはいない。FDAによる審査は継続中であり、追加情報が得られた時点で公表する予定である。 背景:本剤の製薬会社である武田薬品は、予定されていた試験データの分析を5年目に実施し、結果をFDAに提出した。全体的に、アクトス曝露と膀胱癌リスクとの間における統計学的に有意な関連性は認められなかった。しかし、さらなる分析を実施し、アクトスに対する患者の曝露期間およびその期間に投与された同剤の総量を検証した。アクトスに対する曝露期間が最も長い患者およびアクトスの累積投与量が最も多い患者で、膀胱癌リスクが増加した。 推奨:医療従事者はアクトスを処方する際、添付文書にある推奨を今後も順守すべきである。患者は医療従事者からやめるように指示されるのでなければアクトスを服用し続けるべきである。アクトス服用に関連するリスクの可能性に懸念を抱く患者は医療従事者に相談すべきである。 患者に対する追加情報、医療従事者に対する情報およびデータ要約は、薬剤安全性情報に掲載されている。 医療従事者や患者に対し、これらの製剤の使用に関連した有害事象や副反応をFDA MedWatch Safety InformationおよびAdverse Event Reporting Programに報告することを推奨している。 ・報告書に記載のうえ提出すること オンライン:www.fda.gov/MedWatch/report.htm ・書式をダウンロードするか、または1-800-332-1088に電話をして報告用書式を請求すること。その後、住所記載済みの書式にある住所に送るか、または1-800-FDA-0178にファックスで送付すること。
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