FDAがペムブロリズマブの新たな投与レジメンを承認

2020年4月28日、米国食品医薬品局(FDA)は、現在承認されているすべての成人適応症を対象に、ペムブロリズマブ(販売名:キイトルーダ、Merck社)を3週間毎に200mg投与する現行のレジメンに加え、6週間毎に400mg投与する新たな投与レジメンを迅速承認した。

本承認は、薬物動態モデルと曝露反応解析に基づいており、ペムブロリズマブを6週間毎に400mg投与された場合の予測曝露量と、3週間毎に2mg/kg、3週間毎に200mg、2週間毎に10mg/kg投与された患者に認められたペムブロリズマブの曝露量が比較された。

薬物動態モデルは、ペムブロリズマブ開発プログラム全体にわたる追加的な曝露反応解析と、KEYNOTE-555試験(NCT03665597)に登録された患者群(コホートB)における薬物動態と奏効率(ORR)の中間解析によって裏付けられた。

KEYNOTE-555試験のコホートBは、PD-1、PD-L1、CTLA-4阻害薬(術後補助療法でのCTLA-4阻害薬を除く)の前治療を受けていない進行期、または転移性メラノーマ患者101人が登録された多施設国際共同単群試験であった。KEYNOTE-555に最初に登録された44人の患者の奏効率は39%(95%CI:24、55)であった。

その他の安全性および有効性に関する情報、および推奨される投与レジメンについては、KEYTRUDAの全処方情報を参照のこと。

この新しい投与レジメンは、薬物動態データ、有効性と曝露量の関係、安全性と曝露量の関係に基づいて迅速承認された。本適応の継続的な承認には、検証的試験において臨床的有用性の検証および説明が条件となる可能性がある。

本申請は、FDAの目標期日の5カ月以上前に承認された。

翻訳担当者 水町美和

監修 中村泰大(皮膚悪性腫瘍/埼玉医科大学国際医療センター 皮膚腫瘍科・皮膚科)

原文を見る

原文掲載日 

【免責事項】
当サイトの記事は情報提供を目的として掲載しています。
翻訳内容や治療を特定の人に推奨または保証するものではありません。
ボランティア翻訳ならびに自動翻訳による誤訳により発生した結果について一切責任はとれません。
ご自身の疾患に適用されるかどうかは必ず主治医にご相談ください。

皮膚がんに関連する記事

【ASCO2024年次総会】メラノーマ:術前のニボルマブ+イピリムマブが術後療法単独より転帰を改善の画像

【ASCO2024年次総会】メラノーマ:術前のニボルマブ+イピリムマブが術後療法単独より転帰を改善

ASCOの見解(引用)「このランダム化第3相臨床試験は、メラノーマに対して術前に免疫療法を行った場合、術後にのみ免疫療法を受けた患者に比べて転帰が改善するという、複数の初期臨床...
FDAが切除不能または転移を有する悪性黒色腫にリフィリューセルを迅速承認の画像

FDAが切除不能または転移を有する悪性黒色腫にリフィリューセルを迅速承認

米国食品医薬品局(FDA)米国食品医薬品局(FDA)は、PD-1阻害抗体およびBRAF V600陽性の場合はMEK阻害薬の併用の有無にかかわらずBRAF阻害薬の治療歴のある切除不能また...
進行メラノーマに初の腫瘍浸潤リンパ球(TIL)療法をFDAが承認の画像

進行メラノーマに初の腫瘍浸潤リンパ球(TIL)療法をFDAが承認

米国国立がん研究所(NCI) がん研究ブログ米国食品医薬品局(FDA)は30年以上の歳月をかけて、免疫細胞である腫瘍浸潤リンパ球(tumor-infiltrating lymphocy...
進行メラノーマにペムブロリズマブ投与後わずか1週間でFDG PET/CT検査が治療奏効を予測かの画像

進行メラノーマにペムブロリズマブ投与後わずか1週間でFDG PET/CT検査が治療奏効を予測か

米国がん学会(AACR)ペムブロリズマブの単回投与後のFDG PET/CT画像が生存期間延長と相関する腫瘍の代謝変化を示す 

ペムブロリズマブ(販売名:キイトルーダ)の投与を受けた進行メ...