米FDAが転移/局所進行皮膚扁平上皮がんにcosibelimab-ipdlを承認
2024年12月13日、米国食品医薬品局(FDA)は、プログラム細胞死リガンド-1(PD-L1)遮断抗体であるcosibelimab[コシベリマブ]-ipdl(販売名:Unloxcyt、Checkpoint Therapeutics, Inc社)を、根治的手術または根治的放射線療法の適応とならない転移性皮膚扁平上皮がん(mCSCC)または局所進行CSCC(laCSCC)の成人患者を対象に承認した。
有効性は、根治的手術または根治的放射線療法の適応とならなかったmCSCCまたはlaCSCC患者109人を対象とした多施設共同、マルチコホート、非盲検試験であるCK-301-101試験(NCT03212404)で評価された。以下のいずれかに該当する患者は除外された:活動性またはその疑いのある自己免疫疾患、治療前6ヵ月以内の同種移植、抗PD-1/PD-L1遮断抗体または他の免疫チェックポイント阻害薬による前治療、コントロールされていないまたは重篤な心血管疾患、ECOG PS≧2、HIV、B型肝炎、C型肝炎の感染。
主な有効性の評価指標は、RECISTバージョン1.1に従って独立中央審査委員会(IRC)によって評価された客観的奏効率(ORR)と奏効期間(DOR)であった。X線画像で評価できないが外見上認められる標的病変を有するlaCSCC患者については、独立中央判定によるデジタル写真の評価によりORRを決定した(WHO基準)。ORRはmCSCC患者(n=78人)で47 %(95 %CI:36、59)、laCSCC患者(n=31人)で48 %(95 %CI:30、67)であった。DOR中央値は、mCSCC患者では未到達(範囲:1.4+、34.1+)、laCSCC患者では17.7 ヵ月(範囲:3.7+、17.7)であった。
主な副作用(10%以上)は、疲労、筋骨格痛、発疹、下痢、甲状腺機能低下症、便秘、吐き気、頭痛、そう痒症、浮腫、局所感染、尿路感染であった。
cosibelimab-ipdlの推奨用量は1,200 mgで、病勢進行または許容できない毒性が認められるまで、3 週間ごとに60 分かけて点滴静注する。
Unloxcytの全処方情報は、Drugs@FDAに掲載予定である。
- 監訳 中村泰大(皮膚悪性腫瘍/埼玉医科大学国際医療センター )
- 記事担当者 大澤朋子
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- 原文掲載日 2024/12/13
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