2011/04/05号◆FDA最新情報「後期メラノーマに対する新たな治療法をFDAが承認」

f同号原文

NCI Cancer Bulletin2011年4月5日号(Volume 8 / Number 7)

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◇◆◇ FDA最新情報 ◇◆◇

後期メラノーマに対する新たな治療法をFDAが承認

米国食品医薬品局(FDA)は、3月25日、転移性メラノーマ(黒色腫)治療薬ipilimumub [イピリムマブ](Yevoy)を承認した。承認に先立ち676人の患者を対象とした試験が行われ、本薬を投与した患者の全生存期間中央値は治験薬である治療用ワクチンを投与した患者に比べ4カ月長かった

イピリムマブはCTLA4と呼ばれるT細胞表面の分子に結合する抗体で、免疫細胞が自分の体のメラノーマ組織および細胞を攻撃することを阻害している抑制機構を取り除く役割を果たす。

免疫系が刺激を受けることによる有害事象および副作用の可能性があり、発疹、大腸炎(大腸の炎症)、死亡などの合併症を引き起こす可能性もあるが、有害事象のほとんどが治療可能なものである。

FDA抗腫瘍薬製品室室長のDr. Richard Pazdur氏は次のように述べている。「末期メラノーマは非常に厳しいもので、治療の選択肢がほとんどなく、これまでのところいずれの治療も患者生存期間を延長させませんでした。イピリムマブは、転移性メラノーマ患者の生存期間の延長に明白な効果があるとしてFDAが承認した初めての治療法です」。

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金井 太郎 訳

金田 澄子(薬学) 監修 

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