ニボルマブは進行メラノーマに持続的効果を示す

キャンサーコンサルタンツ

治験段階にある抗PD-1薬であるnivolumab(ニボルマブ)は、進行メラノーマ患者で持続的な効果を示すという試験結果がJournal of Clinical Oncology誌に掲載された。

毎年、皮膚癌と新たに診断される100万人以上に、約76,000人のメラノーマが含まれる。米国では毎年、9,000人以上がメラノーマで死亡する。メラノーマは他の皮膚癌に比べ、体の他の部位に転移しやすいので危険である。

PD-1は特定の型の免疫応答を阻害するタンパク質である。PD-1を遮断する薬剤により、癌と闘う免疫系の能力を高める可能性がある。ニボルマブはPD-1を阻害して作用する。

この試験で、進行メラノーマ患者107人に8週間の投与サイクルで、2週ごとにニボルマブが外来で静脈内投与された。患者には96週まで投与が継続され、全生存期間、長期の安全性および投与中止後の効果持続期間が観察された。全生存期間の中央値は16.8カ月であった。1年生存率は62%、2年生存率は43%であった。奏効率は31%であった。奏効を示した33人における効果持続期間の中央値は2年であった。

17人は病勢の進行以外の理由で治療が中止され、うち12人は投与中止後16週以上、治療効果が持続した。

ニボルマブの最大耐用量には未達であった。あらゆるグレードの頻度の高い有害事象は、倦怠感、発疹および下痢であった。グレード3または4の投与に起因する有害事象が22%の症例に発現し、頻度の高いものはリンパ球減少症および倦怠感、下痢ならびに腹痛であった。

研究者は、ニボルマブが投与中止後も継続する持続的な効果を示すと結論づけた。長期間の追跡期間から、有望な生存率および許容可能な副作用が示された。

引用文献
Topalian SL, Sznol M, McDermott DF, et al: Survival, Durable Tumor Remission, and Long-Term Safety in Patients With Advanced Melanoma Receiving Nivolumab. Journal of Clinical Oncology. Published early online March 3, 2014. doi: 10.1200/JCO.2013.53.0105


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翻訳担当者 木下秀文

監修 関屋 昇(薬学)

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