ネクサバールは進行メラノーマにおいて有意な効果があるかもしれない

キャンサーコンサルタンツ
2008年5月

ダカルバジンの投与を受けている進行メラノーマ患者へのネクサバール(ソラフェニブ)の併用が、無進行生存期間(PFS)を改善することを、多施設米国第 II 相試験に関わっている研究者らが、発表した。この試験の詳細はJournal of Clinical Oncology誌 2008年5月1日号に掲載された。

ネクサバールは経口で有効なマルチキナーゼ阻害剤で、進行腎細胞癌と切除不能肝細胞癌の治療に対して承認されている。ネクサバールは非小細胞肺癌患者や他の癌患者についても評価されている。

今回の試験では、ダカルバジン群、またはネクサバール+ダカルバジン群に進行期のメラノーマ患者101名は無作為に割り付けられた。下記の表はこの試験の主な結果の要約である。

ダカルバシン群

ネクサバール+ダカルバジン群
患者数
50名
51名
無進行生存期間の
中央値(全患者)
11.7週間
21.1週間
全生存期間
45.6週間
51.3週間

ネクサバール+ダカルバジンは忍容性良好で、管理可能な毒性プロフィールを有すると研究者らは述べた。研究者らは、メラノーマ患者においてさらなる試験が必要であると、示唆している。

コメント: 

この試験結果により、メラノーマがネクサバールに奏効する癌のひとつとなる。

参考文献
Mc Dermott DF, Sosman JA, Gonzalez R, et al. Double=blind randomized phase II study of the combination of sorafenib and dacarabizine in patients with advanced melanoma: A report from the 11715 Study Group. Journal of Clinical Oncology. 2008;26:2178-2185.


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翻訳担当者 下和田 篤子

監修 林 正樹(血液・腫瘍医)

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