性機能の変化や妊娠について知っておくべきこと(女性)[放射線療法の解説シート]

-NCI原文-

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女性が放射線治療を受けるときの質問:

● 今、妊娠していたらどうしたらよいですか?

もし現在、妊娠している可能性があるなら、必ず医師か看護師に話して下さい。放射線治療は胎児に悪影響を与えることがあります。

●  治療を始めたばかりです。セックスをすることはできますか?避妊をしたほうがいいですか?

セックスをしても大丈夫かは医師と相談して下さい。治療中は必ず避妊をして下さい。
放射線治療中は、絶対に妊娠しないようにすることが重要です。

● 最近セックスをする気分になりません。これは普通ですか?

普通です。放射線治療の副作用の疲労感や痛みなどで、性欲が減退する可能性があります。気を楽にしてください。これから多くのことが待っているのです。あなたが現在感じていることをパートナーと話し合ってください。治療中でもお互い親密でいられる方法はたくさんあります。

女性が骨盤部に放射線治療を受けるときの質問:

● サポートグループで一緒の女性は、閉経の兆しがあるそうです。私もそうなるのでしょうか?

女性のなかには、治療中に体のほてりや無月経を経験する人もいます。これらの症状や他の変化があれば医師に相談して下さい。

● その他にどんな体調の変化が考えられますか?

骨盤部に放射線治療をすると、膣に変化が起こることがあります。治療によって膣が狭くなることがあるので、多くの女性はセックスの際に痛みを感じます。あるいは膣の乾燥やかゆみ、灼熱感を感じることもあります。医師や看護師と相談して、最善の処置を受けて下さい。

役に立つアドバイス

・ 膣の乾燥、かゆみや灼熱感にはジェルやクリームが有効な場合があります。
・ レプレンズReplensR、アストログライドAstroglideR、X-YリキッドX-Y LiquidRなどの膣潤滑剤は膣内を潤った状態にしてくれます。
・ ダイレーターと呼ばれる器具も役に立ちます。これは膣を広げるもので、適応については看護師と相談して下さい。

治療終了後に妊娠を希望する女性は、医師に相談して下さい。将来のために、今あなたができることがあります。

医師や看護師に尋ねること

・ その副作用はどのくらい続くのか。
・ どのような薬や治療がそれらの副作用に役立つか。
・ 将来子供を産みたい場合、現在どのような選択肢があるのか。
・ 私が参加できる女性のサポートグループはあるのか?


放射線治療の副作用管理シリーズ

下痢
軟便(下痢)について知っておくべきこと

倦怠感
倦怠感について知っておくべきこと

脱毛
脱毛について知っておくべきこと

口や喉の痛み
口、喉の痛みについて知っておくべきこと

吐き気、嘔吐
吐き気や嘔吐について知っておくべきこと

性機能(男性)
性機能の変化や生殖能力について知っておくべきこと(男性)

性機能(女性)
性機能の変化や妊娠について知っておくべきこと(女性)

皮膚トラブル
軽い皮膚トラブルについて知っておくべきこと

排尿トラブル
排尿時のトラブルについて知っておくべきこと

放射線治療の理解

小線源治療
小線源治療(体内照射療法の一種)について知っておくべきこと

外部照射治療
外部照射治療について知っておくべきこと

翻訳担当者 中島美香

監修 中村光宏(医学放射線)

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