白血球増殖因子使用に関するASCOガイドライン改訂
本日、米国臨床腫瘍学会(ASCO)は、白血球増殖因子(CSF、造血コロニー刺激因子としても知られる)の使用に関する診療ガイドライン2006年度版の改訂を発行した。CSF製剤は、化学療法の一部に伴って生じる白血球数減少および発熱(発熱性好中球減少症)のリスクを減らすために用いられる。
本臨床診療ガイドライン改訂版の作成に際し、ASCO専門委員会は、2005年10月から2014年9月までに発表された関連医学文献の正式なシステマティックレビューを実施した。
改訂されたガイドラインの主な推奨事項は以下のとおりである。
- 化学療法の第1サイクルから開始してその後のサイクルまで継続する「CSF一時予防的投与」は、患者、疾患、治療に関連する因子に基づいて判断される発熱性好中球減少症の発症リスクがおよそ20%以上ある患者に推奨される。CSF併用の必要がなく同程度に有効で安全な代替化学療法レジメンがある場合は、そのレジメンの使用を考慮すべきである。
- CSF併用により治療間隔を短縮させるdose-dense化学療法は、適切にデザインされた臨床試験として、あるいは、確証的な有効性データの裏づけがある場合のみ使用すべきである。 高リスク乳がんの術後治療としてのdose-dense化学療法、および、尿路上皮がんに対する高用量のメトトレキサート、ビンブラスチン、ドキソルビシン、シスプラチン(HD-M-VAC)療法にCSFを併用することの有効性を示すデータがある。
- 治療に関連する発熱性好中球減少症の予防目的で、ペグフィルグラスチム[pegfilgrastim]、フィルグラスチム[filgrastim]、tbo-フィルグラスチム、フィルグラスチム-サンド(使用可能となれば他のバイオシミラー薬も)が使用できる。
改訂されたガイドラインは本日Journal of Clinical Oncology誌で発表され、www.asco.org/guidelines/wbcgfから入手可能である。
白血球増殖因子に関する患者向けの情報は、www.cancer.net/recommendationsから入手可能である。
ASCOは、ASCOガイドラインWiki www.asco.org/guidelineswikiを通して、腫瘍専門医、臨床医、患者からこのガイドラインへのフィードバックを奨励する。
原文掲載日
【免責事項】
当サイトの記事は情報提供を目的として掲載しています。
翻訳内容や治療を特定の人に推奨または保証するものではありません。
ボランティア翻訳ならびに自動翻訳による誤訳により発生した結果について一切責任はとれません。
ご自身の疾患に適用されるかどうかは必ず主治医にご相談ください。
がん治療に関連する記事
米FDA、点滴に代わる注射用ニボルマブを承認
2025年2月28日
皮下注製剤ニボルマブが、米国食品医薬品局(FDA)の承認を得た。この承認により、静脈内( IV)注射で投与される元の製剤の適用となっている同じ患者グループのほとんどに、皮下注製剤を使用...
【ASH24】モノクローナル抗体ELA026が、悪性腫瘍関連血球貪食性リンパ組織球症の生存期間を改善
2025年2月10日
新たに診断された悪性腫瘍関連血球貪食性リンパ組織球症患者を対象とした第Ib相試験で、100%の奏効率を確認悪性腫瘍関連血球貪食性リンパ組織球症(mHLH)(まれで悪性度が高く、過剰な炎...
安全性に関する声明:米FDAがカペシタビン/5FU投与前にDPD欠損症について話し合う重要性を強調
2025年2月6日
米国食品医薬品局(FDA)がこの通知を行う目的は、ジヒドロピリミジン脱水素酵素(DPD)欠損症に伴うリスクに関するカペシタビンおよびフルオロウラシル(5-FU)製品ラベルの更新を周知さ...
一部のメラノーマ、乳がん、膀胱がんで術前/術後の免疫療法薬投与により長期生存が改善
2024年10月9日
体の免疫系ががん細胞を認識して破壊できるようにすることで効果を発揮する免疫療法薬により、進行メラノーマ(悪性黒色腫)患者の長期全生存率が改善したという大規模国際共同試験の結果がESMO...