高齢男女を対象とするビタミンDに関する新たな奨励
キャンサーコンサルタンツ
2010年7月22日
一般的に広く見られるビタミンD欠乏症に関するエビデンスが増加していることを踏まえ、国際骨粗鬆症財団(the International Osteoporosis Foundation:IOF)は、高齢男女における、より多量のビタミンD摂取を奨励する新たな公式声明を発表した。この声明はOsteoporosis International誌に掲載された。[1]
ビタミンDは脂溶性ビタミンで、栄養補助食品、ビタミンD強化牛乳やシリアルなどの食品、特定の種類の魚(例:サケ、サバ、マグロ)の摂取や日光曝露により得られる。ビタミンDは骨筋系の健康維持に重要な栄養成分である。
今回の新推奨は、高齢男女を対象に、エビデンスに基づいた観点からビタミンDに関して奨励を行うことを目的とした。ビタミンDの測定指標としては血清中25−ヒドロキシビタミンD(25OHD)がもっとも優れており、25OHD濃度は日光曝露およびビタミンD摂取によって変化する。血中ビタミンD濃度は加齢とともに減少を示すが、ビタミンD補給に対する反応性は年齢に関係なく認められる。
IOFは、エビデンスの増加を踏まえ、以下の奨励を実施した。
• 高齢者において、適切な血中ビタミンD濃度を得るためのビタミンD必要摂取量は、平均800〜1000IU/日と推定される。
• 肥満、骨粗鬆症、日光曝露が少ない、または吸収不良が認められる高齢者は、ビタミンD摂取量を2000IU/日まで増量する必要がある場合もある。
• 高リスクの人の場合、検査で血中ビタミンD濃度を測定してから必要に応じて補給することを勧める。
このようにビタミンD欠乏症は一般的に広く見られるため、IOFは今回の新たな奨励が高齢者の転倒や骨折の予防に役立つものと期待している。
適切なビタミンD摂取量については、掛かりつけの医師に相談すること。
参考文献:
[1] Dawson_hughes B, Mithal A, Bonjour JP, et al. IOF position statement: Vitamin D recommendations for older adults. Osteoporosis International. DOI 10:1007/s00198-010-1285-3.
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