妊よう性とがんに関する5つのポイント
Aditi Narayan氏はLIVE STRONG財団のソーシャルワーカーであり、研究および評価プログラムマネージャーでもあります。Narayan氏は地域型ナビゲーションプログラム、およびLIVE STRONG財団がんサバイバー研究の実施と評価を監督しています。テクノロジーと地域団体との連携を通じて、がんサバイバーと介護者ががんの支持療法をより利用しやすくなる方法の研究に取り組んでいます。
がんとその治療は、男性または女性が子どもをもつ力、すなわち妊よう性に影響を及ぼす可能性があります。もしがんが自身の妊よう性に影響を及ぼすのか不安であれば、将来、子どもができる可能性を高めるために今日から始められることをいくつか紹介します。
1.あなたの不妊症リスクについて知る
がんと診断され、将来子どもを持つことがあなたにとって重要な場合は、がん治療開始前に医療チームに相談してください。主治医によって推奨された治療の選択肢が妊よう性に影響を及ぼすのかを知る必要があります。医療チームは、あなたの妊よう性の温存に役立つような情報や他の情報源も紹介してくれます。
がんに関連する妊よう性リスクと、主治医に聞くべき質問について、まず読んで調べて、話し合いに備えるとよいでしょう。また、がんの種類や治療法による潜在的なリスクを知るために情報を入手し、将来家族を持つ方法について学ぶのもよいでしょう。
2.生殖医療の専門医に相談する
がんやその治療によって妊よう性が影響を受けそうな場合、または自身に及ぶリスクが不確かな場合は、生殖医療の専門医の紹介を依頼してください。生殖医療専門医はあなたのリスクと選択肢についてより詳細に話してくれます。親になるための選択肢には、卵子、受精卵および精子の凍結保存またはそれらの提供を受けること、代理母、さらに養子縁組も含まれます。
3.妊よう性を温存する選択肢を探す
がん治療を受ける男性および女性にとって妊よう性はしばしば温存が可能です。妊よう性の温存については可能な限り早く(できれば治療開始以前)話し合うことが非常に重要です。こうした話し合いを早い段階で行うと、卵子や受精卵の凍結または精子バンクなど、より幅広い選択肢が利用可能になります。とはいえ、患者が自分の選択肢を探すのに遅すぎることはありません。
4.経済的支援を求める
妊よう性温存のための方法には保険が使えないと心配するかもしれません。残念ながら保険適用範囲は制限される場合があります。卵巣や生殖腺を避ける放射線治療などいくつかの妊よう性温存法は、放射線治療の一部とみなされる場合、保険適用となる可能性があります。ご契約の保険会社に相談して、保険契約条件について調べてみてください。
資金援助が必要な場合は、支援組織があります。例えば、LIVE STRONG Fertilityは、全米650カ所以上の生殖医療クリニックと提携して、精子バンクおよび卵子、受精卵の凍結保存に対して費用の割引を行っています。さらに同プログラムでは、がん治療前または治療後に妊よう性温存を希望する女性に採卵に必要な卵巣刺激薬を無償で提供しています。
5.必要な心理的支援を得る
あなたを救うための投薬や処置そのものがあなたの妊よう性に影響を及ぼす可能性があるとなれば、がんによる精神的苦痛は一層厳しいものにもなります。自分はひとりではない、感情が複雑に入り乱れるのは当然だ、と心得ておくことが重要です。家族や友人、支援グループ、カウンセラー、医療チーム間で幅広くコミュニケーションを取りながら、強力な支援体制を築いて、最善策を決定していきましょう。
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