癌サバイバーの半数近くで、死因は癌以外の疾患である
- 癌患者の51%の死因は、癌によるものであった。
- 癌サバイバーの49%の死因は、癌以外の疾患によるものであった。
- 癌サバイバーの健康へのより総合的な取り組みが奨励される。
シカゴ発 — 癌再発が多くの癌サバイバーにとって最重要の懸念になる可能性があるにもかかわらず、最近発表された研究から、癌サバイバーの半数近くは癌以外の疾患が原因で死亡したことが判明した。
研究主任であるバージニア・コモンウェルス大学(VCU)医療センター疫学・地域医療学科Yi Ning助教(医学博士)兼VCUマッセイ癌センター協同研究員(バージニア州リッチモンド)によると、これらの結果から、癌サバイバーはより包括的で、癌だけにとらわれない健康への取り組みから恩恵を受ける可能性があることが示唆された。 Ning氏は、米国癌学会(AACR)2012年年次総会(2012年3月31日~4月4日、シカゴ)でこれらの結果を発表した。
「乳癌など、癌種の中には死亡率が低下し続けているものがあることがわかりました。癌サバイバーは、数十年前と比べ、より長期間生存しています。したがって、この様な癌サバイバーの大多数において、彼らの健康全般に注意をさらに払う必要があります。」とNing氏は述べた。
Ning氏らは、米国全国健康・栄養調査(NHANES)研究の対象になった癌サバイバー1,807人を臨床的に評価した。研究対象者の中で最も高頻度で見られた癌種は、乳癌、前立腺癌、子宮頸癌、肺癌、および大腸癌であった。
最初にNHANESを介して調査が実施されたとき、研究対象者の大多数は、心臓血管系の疾患、高血圧、および糖尿病など癌以外の疾患に罹患していた。
Ning氏らは、18年間以上にわたり癌サバイバーの追跡調査を行った。本研究の経過中、癌サバイバー776人が死亡した。その51%の死因は癌によるもので、残り49%の死因は癌以外の原因であった。心臓血管系の疾患は、癌とは関連しない主な死因であった。
癌患者が最初に癌と診断された後に、より長期間生存するにつれて、癌以外の疾患が原因で死亡する可能性がより高くなることが判明した。32.8%は癌診断から5年以内に癌以外の疾患が原因で死亡した。一方、62.7%は癌診断から20年後に死亡した。
癌以外の原因で死亡する癌サバイバーの半数近くで、臨床医と癌サバイバーは、これらのリスクを管理する取り組みを向上させる必要があると、Ning氏は強調した。
「癌が見つかった後では、臨床医と癌サバイバーは、癌以外の疾患や合併症の予防や治療に注意を払いにくくなります。癌に気をとられ、癌以外の慢性疾患を見落とさないように、癌以外の健康についても無視してはいけません。」とNing氏は述べた。
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