予防効果を示す天然物の研究 - クルクミン、プロポリス

予防効果を示す天然物の研究 – クルクミン、プロポリス

Researchers Study Natural Products That May Prevent..
Wake Forest University Baptist Medical Centerニュースリリース

WINSTON-SALEM 発 – Wake Forest University Baptist Medical Centerの研究者らは、ある種の癌(前立腺癌、結腸直腸癌、乳癌など)のリスクを減らし、癌治療を進展させるのに有望な民間薬および香辛料の研究に国立癌研究所(NCI)から100万ドルの補助金を受けることになりました。

民間薬であるプロポリスと香辛料であるターメリックは、抗腫瘍作用を示す植物ポリフェノール化合物が豊富です。 コーヒー酸フェネチルエステル(Caffeic Acid Phenethyl Ester;CAPE)はプロポリスの中の主な活性成分で、木と植物の樹皮と葉からミツバチによって集められる樹脂性物質です。 プロポリス抽出物は抗菌又は抗炎症治療にとしてとして古代から使われてきました。そして、最近の研究でがCAPEによりマウスが放射線により誘発される炎症と皮膚障害から保護され、ラットが化学療法後に起きるある種の心筋損傷から保護されました。

クルクミンは、香辛料であるターメリックの黄色の色素です。クルクミンを豊富に摂っている集団で大腸がんの率が著しく減少することを示した研究結果に基づき、クルクミン癌予防効果についての研究が行われています。 人での臨床試験は5年前に始められ、国立癌研究所は1988年より抗ガン剤としてクルクミンを開発しています。

「これらの合成物が見せた非常に興味のある特徴は、腫瘍細胞で細胞死を起こさせ、正常細胞では細胞死を起こさないことです」と、Wake Forest Baptistの放射線腫瘍学の助教授でもあり、新しい研究の主導治験責任医師でもあるCostas Koumenis博士は述べています。

「CAPEとクルクミンのこれらの興味深い特性とそれらの良好な安全性プロファイルに基づき、我々の研究室は細胞培養と実験動物腫瘍において研究を行ったところ、これらの化合物が、腫瘍細胞の化学療法や放射線に対する感受性を高め、一方、正常細胞に対しては殆ど影響がみられない、又は、放射線からのある種の有害作用を減らすということが分かりました。」と、Koumenis博士は述べています。

今後4年間にわたり、Wake Forest Baptistは、動物での神経膠腫(最も予後の悪い脳腫瘍)と他の腫瘍においてCAPEとクルクミンが放射線治療効果を高めるかどうかを研究し、化合物 がいかにして腫瘍細胞の放射線感受性を高めつつ正常な細胞組織を保護しているのかを研究します。

「この種の化合物について正常細胞と腫瘍細胞に対し異なる作用があることは充分に立証されていますが、未だ分からない部分があります。」「これらの化合物がどのようにしてこんな効能をもたらすことができるかが分かれば、同じような性質をもち、もっと有効な新薬設計の道が開けるかもしれません」。 「その薬剤は致命的損害を受ける腫瘍細胞の割合を増やすことによって治療結果を改善するかもしれないし、放射線の照射レベルを下げて副作用を減らすことにつながる可能性があります。 これらの前臨床研究で肯定的なデータが出れば、これらの薬剤のヒト(患者)における安全性と有効性の研究の基礎となります。」とKoumenis博士は話しています。

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Wake Forest University Baptist Medical Centerについて:Wake Forest BaptistはNorth Carolina Baptist HospitalとWake Forest大学医学部を運営するWake Forest University Health Sciencesから成る学術医療組織です。 同組織は救急、心療、リハビリテーションおよび長期療養1,187床から成り、U.S. News & World Reportの「全米ベスト病院」のうちの1つとして、常に評価されています。

(HAJI 訳・葉っぱ 校正)


参考: 黒コショウ(バイオペリン)によってクルクミン吸収率が上がるPMID: 9619120

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