欧州臨床腫瘍学会(ESMO2023)速報:肺がん、子宮がん、膀胱がん、乳がん他
欧州臨床腫瘍学会(ESMO)
「最適ながんケアのための革新的研究を広めよう」という本年のキャッチフレーズを掲げた欧州臨床腫瘍学会(ESMO)会議2023が、2023年10月20日〜24日にスペインのマドリードで開催される。今回は、できるだけ多くの人が参加できるようにオンラインで視聴可能なプログラムも用意されている。
今年度のがんの特徴に焦点を絞った演題や、より良いがんケアのための、医薬品開発過程への学術的基盤導入強化に向けた取り組みを紹介する基調講演、さらにはがん患者やその治療に多大な影響を与える、世界中の数限りない危機的状況がもたらすドラマチックなシナリオを発表:ESMO会議2023のプログラムは、熱心な登録参加者や優秀な科学者たちからソーシャルメディア上で「最高の腫瘍学会議」「史上最高のESMO」と賞賛されており、彼らはアブストラクトのタイトルしか知らず、腫瘍学界内に先行情報がほとんどない中で、発表される素晴らしい内容に触れることを待望している。
教育セッション、特別シンポジウム、スポンサーが付いているサテライトシンポジウム、患者アドボカシートラック、看護プログラム、その他のセッションなどの大会プログラム一式は、アブストラクトやレイトブレイクアブストラクト(LBA:Late-Breaking Abstract)のタイトルも含めてオンラインで入手可能である。
講演、ディスカッション、古くからの問題についてよく考えられた洞察、新しいデータおよび今後の課題など、充実した5日間に報道関係者が閲覧するセッションについて、注目すべき(または見逃してはならない)ものを、以下を紹介する。
(*情報提供目的で、自動翻訳ページをリンクしています。何かにご利用の際は、必ず正誤の確認をお願いいたします)
● 臨床第3相試験(臨床現場を変えるか、少なくとも臨床現場にて実現可能性が高い試験)は、以下のように多くの疾患領域で実施されている:
・肺がん:有望な進歩
プレジデンシャルセッション1自動翻訳(LBA1、LBA2、LBA4、LBA5)
プレジデンシャルセッション3自動翻訳(LBA12、LBA14、LBA15)
・婦人科がん:特に子宮頸がんの全領域をカバーする新たな研究結果
プレジデンシャルセッション2自動翻訳(LBA8、LBA9)
口頭セッション1自動翻訳(LBA36、LBA38、LBA39)
口頭セッション2自動翻訳(LBA40、LBA41)
・泌尿生殖器がん:膀胱がんに関してはじめて行われたいくつかの臨床試験
プレジデンシャルセッション2(自動翻訳)(LBA6、LBA7)
・消化器がん:プレジデンシャルセッション2自動翻訳(LBA10)
・乳がん:プレジデンシャルセッション3自動翻訳(LBA11)
● 待望のプレジデンシャルセッション(本年度は満席)に加え、肺がんにおける有望な第2相臨床試験(LBA92自動翻訳)から、神経内分泌腫瘍のような治療が困難な疾患における革新的なアプローチ(725MO自動翻訳)まで、多数の口頭、ミニ口頭、ポスターセッションにより、多くの病態における臨床と研究の進歩を紹介する。
大量の有望な臨床データを補完するため、革新的な研究により大気汚染とがん(238MO自動翻訳)の関係が調査される。これはESMO会議2022*1のトップハイライトのひとつであったが、予防対策の研究と重要な政策行動の新たな道が切り開かれることになる。
公害とがんの問題に直接関連する、より持続可能で環境に優しい腫瘍学的ケアを構築する方法に特化した特別セッション自動翻訳では、気候変動が患者、医師、医療インフラに与える影響についてさらに学び、議論する機会を提供する。人々自身と医療インフラは、最新のがん患者予測に従って、現在および将来のがん医療従事者を確保するために、回復力の源泉を探し、見つけなければならない(特別セッション自動翻訳)。
ESMO2023開会記者会見では、他の関連する会議のハイライトとともに、公害とがんリスクとの関係や医療システムの回復力などについても深く掘り下げる。同会見は、10月20日(金)10:30-11:15(中央ヨーロッパ標準時)に開催され、認定された報道関係者であればオンラインでのアクセスも可能である。これらのテーマは次の諸氏により議論される:
・Andrés Cervantes氏、INCLIVA - Biomedical Research Institute、スペイン ESMO会長
・Silke Gillessen氏、南スイス腫瘍研究所(IOSI)、スイス ESMO 2023科学委員長
・Jean-Yves Blay氏、Centre Léon Bérard氏、フランス ESMO公共政策担当理事
・Angela Lamarca氏、Fundacion Jimenez Diaz University Hospital、スペインESMO 2023プレスオフィサー
その他のセッション(教育セッション、患者アドボカシーセッション)では、最近の国連ハイレベル会合(ニューヨーク)において宣言されたように、ユニバーサルヘルスカバレッジ(UHC)の最高原則によりどこに住んでいてもすべての患者に平等な治療が保証された場合、臨床試験の結果と同様に重要となる、がんケアの多面的側面について掘り下げる。
デイリープレスブリーフィングは、プレジデンシャルセッションで発表される研究について、報道関係者が独自に評価する機会を提供することを目的とし、報道関係者がプレジデンシャルセッションの討論者に質問しその意見を収集することで、その日のうちに発表される主要な研究データをより豊かな文脈の中に位置づけることができるよう、専用のスペースを提供するものである。ブリーフィングの形式は、45分間の質疑応答形式である。すべてのブリーフィングは非公開で、10月21日(土)、22日(日)、23日(月)の12:30~13:15(CEST)にサウスコンベンションセンター(1階)の記者会見場で行われる。
報道関係者には、調査や執筆のために最新の査読付き科学誌をどこで検索すればよいかを知る機会として、ESMOの既存誌と新誌の核心に迫る「編集長と会おう」イベントが企画されている。ここでは各誌の編集長から、最新の実データや人工知能のトピックを含め、腫瘍学やその関連分野における新たな進展のエッセンスをどのように取り込んでいくかを聞くことができる。本イベントは22日(日)の9:15~9:55(CEST)に開催され、次の諸氏が個別質問を受ける:
・Florian Lordick氏、Irit Ben-Aharon氏、ESMO Gastrointestinal Oncology誌 編集長
・Giuseppe Curigliano氏、ESMO Open誌 編集長
・John Haanen氏、IOTECH誌 編集長
・Rodrigo Dienstmann氏、ESMO Real World Data and Digital Oncology誌 編集長
・Thomas Powles氏、Annals of Oncology誌 編集長
*1 Swanton C et al. “Mechanism of action and an actionable inflammatory axis for air pollution induced non-small cell lung cancer: Towards molecular cancer prevention”. Presented at ESMO Congress 2022, Paris, France Presidential Symposium, LBA1.
- 監訳 廣田 裕(呼吸器外科、腫瘍学/とみます外科プライマリーケアクリニック)
- 翻訳担当者 平 千鶴
- 原文を見る
- 原文掲載日 2023/10/06
【免責事項】
当サイトの記事は情報提供を目的として掲載しています。
翻訳内容や治療を特定の人に推奨または保証するものではありません。
ボランティア翻訳ならびに自動翻訳による誤訳により発生した結果について一切責任はとれません。
ご自身の疾患に適用されるかどうかは必ず主治医にご相談ください。
がん研究に関連する記事
欧州臨床腫瘍学会(ESMOアジア2024)ハイライト
2024年12月20日
前がん状態と腫瘍の生物学の手がかりを探すNIH研究
2024年11月3日
プロトコル例外適用で標的治療試験に参加した患者の転帰は適格参加者と同様
2024年9月19日
臨床試験における全生存期間(OS)解析の考察:米国AACR、ASA、FDAによる概説
2024年8月22日