デキサメタゾンはがん患者の呼吸困難緩和に投与すべきではない【MDA研究ハイライト】
デキサメタゾンはがん患者の呼吸困難緩和のためには投与すべきではないとの試験結果
がん患者の呼吸困難や息切れを緩和するための全身性コルチコステロイド使用を支持するエビデンスは今のところほとんどない。David Hui医師が率いる研究チームは、がんに伴う呼吸困難に対する高用量デキサメタゾンの効果を検討した。合計149人の外来患者を試験に登録し、デキサメタゾン8mg投与またはプラセボカプセル投与のいずれかに無作為に割り付け、それぞれ14日間投与した。主要評価項目は、デキサメタゾン群とプラセボ群における呼吸困難強度の平均変化量-1.6であった。試験データは、高用量デキサメタゾンがプラセボと比較して呼吸困難を有意に改善しなかったこと、非選択がん患者に標準的に投与すべきではないことを示唆している。本結果の詳細についてはLancetを参照。
監訳:佐々木裕哉(白血病/MDアンダーソンがんセンター)
翻訳担当者 山田登志子
原文掲載日
【免責事項】
当サイトの記事は情報提供を目的として掲載しています。
翻訳内容や治療を特定の人に推奨または保証するものではありません。
ボランティア翻訳ならびに自動翻訳による誤訳により発生した結果について一切責任はとれません。
ご自身の疾患に適用されるかどうかは必ず主治医にご相談ください。
がん緩和ケアに関連する記事
遠隔医療によるがん緩和ケアは患者のニーズに合う
2024年11月15日
COVID-19パンデミック中、がん治療における遠隔医療の利用が急増した。この期間中、一時期、対面での医療が制限され、医師の診察の多くがオンラインで行われていた。最近は遠隔医療の柔軟性...
がん患者による医療用大麻の使用増加に対応を迫られる腫瘍医たち
2024年11月3日
一連の新たな研究により、がん患者におけるカンナビノイド使用の増加と、その傾向が及ぼす影響の一部に焦点が当てられている。
複数の研究結果によると、がん治療を受けている人の約20%から40...
複数の研究結果によると、がん治療を受けている人の約20%から40...
ポンセグロマブはがん悪液質治療に大変革をもたらすか?
2024年11月14日
治験薬であるポンセグロマブが、がん患者に影響を及ぼすことが多い衰弱症候群である悪液質に対して有効な治療薬になる可能性があることが、臨床試験結果から明らかになった。
悪液質の特徴的な徴候は...
悪液質の特徴的な徴候は...
オランザピンは化学療法中の吐き気を軽減しQOLを改善
2024年10月22日
2024年ASCOクオリティ・ケア・シンポジウム発表の新研究ASCOの見解「化学療法誘発性悪心(嘔気、吐き気)は、化学療法で非常に多くみられる辛い症状で、患者のQOLが...