2013年ASCO Quality Care Symposium(診療の質シンポジウム)、診療の改善における進展に焦点

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本日、新たな研究が発表され、癌患者に対する診療を改善する複数の独創的な新戦略の有効性が明らかになった。そのアプローチは、仮想患者シナリオに基づく医師訓練ツールから、患者を確実に緩和ケアに紹介するための新たな判断基準までさまざまである。これらの研究は、2013年ASCO診療の質シンポジウム(Quality Care Symposium)に先立って、本日のpresscast(インターネット生放送による記者会見)で発表された。シンポジウムは、2013年11月1日、2日にサンディエゴのマンチェスター・グランド・ハイアットで開催される。

本日のpresscastでは、以下の3つの主要な研究が取り上げられた。

「新たなオンライン教育ツールにより、診療の質基準へのコンプライアンスが向上」:臨床能力および臨床的価値に関する新たな取り組みは、診断ツールの適切な利用、適切な生検実施率、正確な癌病期分類、適切な治療の観点から、大規模ながんセンターでの診療の質と価値を向上させることが期待される。仮想患者シナリオを用いるこの取り組みは、医師の医学的判断能力の検証や研鑚に役立つ。

「緩和ケア相談の開始に関する判断基準により、劇的にホスピス利用率が改善、再入院率が減少」:試行プログラムによれば、ある大規模病院で緩和ケア相談の開始に関する新たな判断基準を採用した結果、3カ月にわたる進行性固形腫瘍患者の診療が大幅に改善した。

「組織的な癌診療は、より良い結果と患者の満足につながる」:組織的癌診療に関する過去30年間の文献を分析した結果、患者が質の高い診療を受けられる可能性がほぼ2倍になることがわかった。

ASCO Cancer Communications Committee(癌コミュニケーション委員会)のメンバーであるOlatoyosi Odenike医師は、「本日発表された研究は、癌とともに生きる人々への診療の質と価値を改善する胸を躍らせるような新たな機会と方法を示すものです」と話す。「さらに、これらの知見は、あらゆる種類と病期の癌患者のためにいかに診療の質を改善できるかを探る手掛かりにもなります」。

今年のシンポジウムでは、先進的医療情報技術の導入、患者と医師のコミュニケーションの改善、診療の質の効果的な評価と報告などのテーマに関する280を超える抄録が取り上げられる。

翻訳担当者 山田登志子

監修 原恵美子 校正

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