がん治療後ケアプラン

LIVESTRONG
LIVESTRONGは、ランス・アームストロング財団の公式サイトです。

≪がん治療後ケアプラン≫

がんサバイバーシップにとっての良い話として、がんサバイバーの数が増加しつつあり米国では現在推定1200万人のがんサバイバーが生活を送っていることがあります。一方、不幸なことにがん治療には必ず「その後」があり、がんサバイバーは何の手引きもなく治療の長期的影響に対処しています。米国医学研究会(Institute of Medicine, IOM)ががんサバイバーの現状を調査したところ、がんサバイバーや医療機関が治療後に生じうる医学的問題および心理社会学的問題を克服するための手引きとして使えるものがほとんどないことがわかりました。

IOMは、がん治療が終わった人にはこれまで受けた治療の概要とフォローアップのための「がん治療後ケアプラン」を提供されるべきである、と提案しています。このケアプランは、起こりうる遅発性の副作用、その症状および治療法、推奨するがん検診のほか、心理社会的な影響、経済的な問題、推奨される健康的なライフスタイル、遺伝子カウンセリング、有効な予防的治療の選択肢、フォローアップケアの紹介、その他受けられる支援の一覧などがまとめられたものでなければなりません。このケアプランは非常に重要なものですが、作成に時間がかかるためがん治療の現場で行うことはほとんど不可能です。

LIVESTRONGがん治療後ケアプランは、短いアンケートの回答結果に基づいて個別に作成するサバイバーシップケアプランです。最大限精密なプランとするため、あなたのがん治療の詳細についてがん医療チームにできるだけ伝える必要があります。

・がんの種類
・放射線治療を受けたことがある場合、どのがんに対して実施したのか
・化学療法を受けたことがある場合、投与した薬剤は何か
・手術を受けたことがある場合、どんな手術を実施したのか

このケアプランは、あなたが医療チーム(がん治療、かかりつけ医とも)と再検討し話し合うために作成されます。各症例で状況は異なり、一部の副作用に関するリスクは実際の放射線照射量や化学療法薬投与量、またはその投与方法によって異なるということは心に留めおいてください。あなたのケアプランをがん医療チームと一緒に見直して、あなたのリスクを明確にしておくことが非常に重要です。

LIVESTRONGケアプランプログラムは成人がんのサバイバー向けに作られています。小児がんサバイバーに関する研究はかなり進んでおり、発達途上に行った治療の遅発性副作用についてもよく知られています。小児腫瘍グループ(Children’s Oncology Group, COG)ウェブサイトのCureSearch(日本語版はこちら)のページには小児癌サバイバー向けのすばらしい資料が揃っています。さらに、小児がんサバイバーの方はCOGが作成した長期的ケアの詳細なガイドラインを医療チームの方に読んでもらうようにしましょう。

■この簡単で無料のツールは、がんサバイバーが癌治療の結果として直面する健康上のリスク情報を提供します。

◆がん治療後ケア マイプランを作成する◆
(※このページは英語になります。)

***********
橋本 仁 訳
原野 謙一(乳腺科・婦人科癌・腫瘍内科/日本医科大学武蔵小杉病院)監修 
***********

原文

【免責事項】
当サイトの記事は情報提供を目的として掲載しています。
翻訳内容や治療を特定の人に推奨または保証するものではありません。
ボランティア翻訳ならびに自動翻訳による誤訳により発生した結果について一切責任はとれません。
ご自身の疾患に適用されるかどうかは必ず主治医にご相談ください。

がん緩和ケアに関連する記事

遠隔医療によるがん緩和ケアは患者のニーズに合うの画像

遠隔医療によるがん緩和ケアは患者のニーズに合う

COVID-19パンデミック中、がん治療における遠隔医療の利用が急増した。この期間中、一時期、対面での医療が制限され、医師の診察の多くがオンラインで行われていた。最近は遠隔医療の柔軟性...
がん患者による医療用大麻の使用増加に対応を迫られる腫瘍医たちの画像

がん患者による医療用大麻の使用増加に対応を迫られる腫瘍医たち

一連の新たな研究により、がん患者におけるカンナビノイド使用の増加と、その傾向が及ぼす影響の一部に焦点が当てられている。 

複数の研究結果によると、がん治療を受けている人の約20%から40...
ポンセグロマブはがん悪液質治療に大変革をもたらすか?の画像

ポンセグロマブはがん悪液質治療に大変革をもたらすか?

治験薬であるポンセグロマブが、がん患者に影響を及ぼすことが多い衰弱症候群である悪液質に対して有効な治療薬になる可能性があることが、臨床試験結果から明らかになった。

悪液質の特徴的な徴候は...
オランザピンは化学療法中の吐き気を軽減しQOLを改善の画像

オランザピンは化学療法中の吐き気を軽減しQOLを改善

2024年ASCOクオリティ・ケア・シンポジウム発表の新研究ASCOの見解「化学療法誘発性悪心(嘔気、吐き気)は、化学療法で非常に多くみられる辛い症状で、患者のQOLが...