コロナワクチンとがん ニュース- キャンサーリサーチU.K

英国におけるコロナワクチン情報です。

【7月1日 】中間勧告で推奨されているワクチンの追加免疫接種プログラム

ワクチンを追加免疫接種することで最もリスクの高い人々をCOVID-19と新たな変異ウイルスから引き続き守ると、英国医療保健サービス(NHS)は予防接種・免疫合同委員会(JCVI)より助言を受けました。

中間勧告では、2021年9月より開始されるワクチンの追加免疫接種プログラムの第1段階として、以下のグループに提供することを推奨しています。
・16歳以上の成人で免疫力が低下している人
・高齢者向け介護施設に居住している人
・70歳以上の人すべて
・臨床的に極めて脆弱と思われる16歳以上の人
・最前線で働く医療従事者および介護従事者

われわれの知る限り、これらのグループの定義に変更はありませんが、優先グループに追加情報が入り次第更新いたします。

JCVIは9月までに最終的な計画を公表し、また今後の勧告が数ケ月間のデータをもとに「大幅に変更される可能性がある」と述べています。

「COVID-19ワクチンの有望な追加免疫接種プログラムの主な目的は、死亡や重篤な疾患を減らすことです。われわれは今後数ケ月間、現行のワクチンによる免疫の持続期間に関するデータなど新たな科学的データについて評価を継続します。なお、ワクチンの追加免疫接種に関する最終的な勧告は変わる可能性があります」と、JCVIのCOVID-19委員長であるWei Shen Lim教授は述べました。

NHSは、英国で追加免疫接種プログラムの計画を開始する許可を得ました。この勧告は「これまでわれわれが考えたり計画していた案と非常に似通っています」とウェールズの保健大臣は述べた。

【5月18日】ワクチン2回接種を終えたがん患者にみられた高い防御効果を示す初期データ

新たな研究では、ファイザー・ビオンテック社またはオックスフォード・アストラゼネカ社のワクチン接種を2回終えた8,000人超に対し、免疫による防御を検討しました。本研究は他の研究者らによるレビュー評価はまだ受けていませんが、メディアでは取り上げられています。本研究には、生涯でがんと診断されたことのある881人が参加し、うち74人が血液腫瘍でした。

生涯でがんと診断されたことがある人を含めた2回接種後の参加者の多くにワクチンに有効な反応がみられたことを、ユニバーシティカレッジ・ロンドンおよびロンドン・スクール・オブ・ハイジーン・アンド・トロピカル・メディスンの研究者らが示しました。

しかし1回目から2回目接種の期間は、がん患者、放射線治療や化学療法または臓器移植後など免疫抑制治療中の患者において免疫反応を示した人はより少なく、2回目の接種を終えるまでは注意が必要であると研究者らは述べています。

なお今回のデータでは、現在がんに罹患している人と数年前にがんに罹患した人とで反応が異なるかどうかは示されていません。ワクチンについてのご質問は、専門家にご相談いただくか、かかりつけ医にご連絡ください。

翻訳担当者 原 久美子

監修 辻村信一(獣医学・農学博士、メディカルライター)

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