アバスチン(ベバシズマブ)

腫瘍医、その他の医療従事者向け  
原文

2008年7月14日

ジェネンテック社は、アバスチンとリンゴ酸スニチニブの併用投与を受けた固形癌の患者において、微小血管症性溶血性貧血(MAHA)の症例が数件報告されていることを医療従事者に通達した。アバスチンとリンゴ酸スニチニブの併用は承認されておらず、この併用療法は推奨されない。アバスチンとリンゴ酸スニチニブ併用用量漸増第I相試験に25人の患者が登録され、この試験は、3つのコホートからなっており、アバスチン固定投与量10mg/kgを2週間毎に静脈投与に加え、経口薬スニチニブを4週間投薬/2週間休薬スケジュールで25mg、37.5mg、50mgと増量した。スニチニブの最大用量を受けた12人中5人が、臨床検査でMAHAの徴候が特定された。うち2人は、血小板減少、貧血、網状赤血球増加、血中ハプトグロビン減少、分裂赤血球、末梢血液塗抹、血中クレアチニン値のわずかな上昇、重篤な高血圧、可逆的後部白質脳症シンドローム、タンパク尿が認められ、重篤と診断された。両薬剤の投与を中止し、その後の投与も見合わせたことで、この2症例の病態は3週間かからずに改善した。医療従事者は、アバスチンの使用が関連して起こったとみられるMAHAや重篤有害事象の症例があれば、直ちに報告しなければならない。

[July 11, 2008 – Dear Healthcare Professional Letter – Genentech]

【免責事項】
当サイトの記事は情報提供を目的として掲載しています。
翻訳内容や治療を特定の人に推奨または保証するものではありません。
ボランティア翻訳ならびに自動翻訳による誤訳により発生した結果について一切責任はとれません。
ご自身の疾患に適用されるかどうかは必ず主治医にご相談ください。

FDAニュースに関連する記事

米FDAが、非小細胞肺がんと膵臓腺がんにzenocutuzumab-zbcoを迅速承認の画像

米FDAが、非小細胞肺がんと膵臓腺がんにzenocutuzumab-zbcoを迅速承認

2024年12月4日、米国食品医薬品局は、以下の成人を対象にzenocutuzumab-zbco[ゼノクツズマブ-zbco](Bizengri[販売名:ビゼングリ]、Merus NV社...
米FDAが治療歴のある切除不能/転移性HER2陽性胆道がんにザニダタマブを迅速承認の画像

米FDAが治療歴のある切除不能/転移性HER2陽性胆道がんにザニダタマブを迅速承認

2024年11月20日、米国食品医薬品局(FDA)は、FDAが承認した検査でHER2陽性(IHC 3+)が検出され、治療歴のある切除不能または転移性の胆道がん(BTC)を対象に、zan...
米FDAが胃または胃食道接合部(GEJ)腺がんにゾルベシキマブと化学療法の併用を承認の画像

米FDAが胃または胃食道接合部(GEJ)腺がんにゾルベシキマブと化学療法の併用を承認

米国食品医薬品局2024年10月18日、米国食品医薬品局(FDA)は、FDAが承認した検査によりクローディン18.2(CLDN18.2)陽性であると判定された、切除不能または転移性のヒ...
米FDAが、KMT2A転座を有する再発/難治性の急性白血病にレブメニブを承認の画像

米FDAが、KMT2A転座を有する再発/難治性の急性白血病にレブメニブを承認

有効性は、KMT2A転座を有する再発または難治性(R/R)急性白血病の成人および小児患者104人(生後30日以上)を対象とした非盲検多施設共同試験(SNDX-5613-0700、NCT0406...