FDA、癌が”治癒する”と偽った製品の販売を中止するよう個人と企業に対して警告
FDAは、癌が”治癒する”と偽った製品の
販売を中止するよう個人と企業に対して警告
インターネット・サイトでの不正な宣伝内容
本日、米国食品医薬品局(FDA)が明らかににしたところによると、当局は、癌を予防、治癒すると不当に謳った様々な製品を販売している米国の企業23社と国外の個人2名に対し、警告書を送付した。FDAはまた、北米の消費者に対し、インターネット上で様々な名前で販売されている錠剤、茶剤、強壮剤、黒色の塗剤およびクリーム剤などの製品の使用や購入をしないように注意を呼びかける。
今回警告を受けた企業と個人、癌が”治癒する”と不当表示されている製品の全リストとその製造業者、および健康詐欺に関する消費者の苦情とともにhttp://www.fda.gov/cder/news/fakecancercures.htmのページに記載されている。
「癌の偽”治癒薬”の宣伝は常に問題になってきたが、インターネットの仕組みによりそれらが横行してしまった。この警告書は、消費者が偽”治癒薬”の被害者となり、これ以上の健康被害を受けることがないよう規制する重要なステップである」 と、FDAの規制業務次長であるMargaret O’K.Glavin氏は述べた。
FDAは、消費者に対して、医療提供者に製品の使用を中止することを相談し、何らかの有害事象が発生した場合には適切な治療を行うよう勧告する。
こうした製品の含有成分は、サンギナリア、サメ軟骨、珊瑚カルシウム、セシウム、エラグ酸、キャッツクロー、エイジアック(Essiac)と呼ばれるハーブティー、およびアガリクス(Agaricus Blazeii)、シイタケ、マイタケおよびレイシなどのキノコ類といったものである。
これらの製品が疾患を治癒させたり、治療、緩和、予防すると謳っているが、添付文書に表示されている使用条件での安全性と有効性が明らかでないため、こうした製品は、連邦食品医薬品化粧品法(Federal Food, Drug, and Cosmetic Act)に違反して売買される未承認の新薬である。
こうした製品の不正な宣伝内容には、例として下記のようなものがある:
・「あらゆる癌を治療する」
・「癌細胞を自滅させる!」
・「世界第1位の癌治療薬をさらに80%上回る効果がある」
・「皮膚癌が消える」
・「健康な細胞は残し、癌細胞のみを標的とする」
・「悪性腫瘍を縮小させる」
・「痛みを伴う手術や、放射線療法、化学療法、その他従来の治療が必要ない」
警告書は、偽の製品が消費者の手に渡るのを阻止するために、FDAが連邦取引委員会(FTC:Federal Trade Commission)およびカナダ政府機関と協力して行っている運動の一部である。発端は、消費者の苦情と、FDA、FTCおよびメキシコ、米国、カナダの健康詐欺ワーキンググループが行う不正な癌関連製品のウェブ検索から生じた。今年始め、FTCは不正に癌”治療薬”として宣伝しているウェブサイト112件に対し警告書を送付し、他数件を国外の該当機関に照会した。
警告書に書かれた違反を適切に解消しない団体は、違法な製品の没収、差し止め命令および刑事告発を含む強制措置の対象となる。
消費者と医療従事者は、製品に関連するいかなる苦情やトラブルもFDAに通知すべきである。
報告は、FDAの自発的報告プログラムであるMedWatchに対して電話800-FDA-1088、またはウェブサイト:www.fda.gov/medwatch/report.htmで行える。
カナダでの健康詐欺についての消費者教育運動については以下参照。
http://www.competitionbureau.gc.ca/epic/site/cb-bc.nsf/en/02614e.html
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入江瑞穂 訳
林 正樹(血液・腫瘍科)監修
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