FDAが貧血薬エポエチンアルファのバイオシミラーを承認

2018年5月15日、米国食品医薬品局(FDA)は、貧血の治療薬にエポエチンアルファ(商品名:Epogen[エポジェン]/Procrit[プロクリット]、Amgen Inc.社)のバイオシミラーとしてepoetin alfa-epbx[エポエチンアルファ-epbx](商品名:Retacrit[レタクリット]、Pfizer Inc.社の子会社、Hospira Inc.社)を承認した。対象は、 慢性腎臓病(CKD)による貧血、HIV患者のジドブジンの使用による貧血、および化学療法による骨髄抑制としての貧血である。さらにエポエチンアルファ-epbxは、心臓血管系以外の手術を待機的に受ける患者においても、周術期の輸血を減らす目的で承認された。

医療従事者は、承認された使用方法に関する詳細について、添付文書の処方情報を確認する必要がある。

今回の承認は、製品の広範な構造的および機能的特性、動物実験のデータ、ヒトの薬物動態および薬力学データ、臨床免疫原性について、エポエチンアルファ-epbxと米国で認可されたエポエチンアルファの比較に基づいており、エポエチンアルファ-epbxが米国で認可されたエポエチンアルファときわめて類似し、製品間に臨床的に意味のある差がないことが示されている。エポエチンアルファ-epbxと米国で認可されたエポエチンアルファの互換性は示されていない。

エポエチンアルファと同様に、エポエチンアルファ-epbxの添付文書には枠組み警告が設けられており、死亡、心筋梗塞、脳卒中、静脈血栓塞栓症、血管アクセスの血栓症、および腫瘍の進行または再発のリスクが上昇することを医療従事者や患者に警告している。

翻訳担当者 坂下美保子

監修 野﨑健司(血液・腫瘍内科/大阪大学大学院医学系研究科 )

原文を見る

原文掲載日 

【免責事項】
当サイトの記事は情報提供を目的として掲載しています。
翻訳内容や治療を特定の人に推奨または保証するものではありません。
ボランティア翻訳ならびに自動翻訳による誤訳により発生した結果について一切責任はとれません。
ご自身の疾患に適用されるかどうかは必ず主治医にご相談ください。

FDAニュースに関連する記事

米FDAが、非小細胞肺がんと膵臓腺がんにzenocutuzumab-zbcoを迅速承認の画像

米FDAが、非小細胞肺がんと膵臓腺がんにzenocutuzumab-zbcoを迅速承認

2024年12月4日、米国食品医薬品局は、以下の成人を対象にzenocutuzumab-zbco[ゼノクツズマブ-zbco](Bizengri[販売名:ビゼングリ]、Merus NV社...
米FDAが治療歴のある切除不能/転移性HER2陽性胆道がんにザニダタマブを迅速承認の画像

米FDAが治療歴のある切除不能/転移性HER2陽性胆道がんにザニダタマブを迅速承認

2024年11月20日、米国食品医薬品局(FDA)は、FDAが承認した検査でHER2陽性(IHC 3+)が検出され、治療歴のある切除不能または転移性の胆道がん(BTC)を対象に、zan...
米FDAが胃または胃食道接合部(GEJ)腺がんにゾルベシキマブと化学療法の併用を承認の画像

米FDAが胃または胃食道接合部(GEJ)腺がんにゾルベシキマブと化学療法の併用を承認

米国食品医薬品局2024年10月18日、米国食品医薬品局(FDA)は、FDAが承認した検査によりクローディン18.2(CLDN18.2)陽性であると判定された、切除不能または転移性のヒ...
米FDAが、KMT2A転座を有する再発/難治性の急性白血病にレブメニブを承認の画像

米FDAが、KMT2A転座を有する再発/難治性の急性白血病にレブメニブを承認

有効性は、KMT2A転座を有する再発または難治性(R/R)急性白血病の成人および小児患者104人(生後30日以上)を対象とした非盲検多施設共同試験(SNDX-5613-0700、NCT0406...