FDAが癌化学療法に伴う悪心および嘔吐の予防にネツピタント・パロノセトロン配合剤を承認
米国食品医薬品局(FDA)ニュース
速報
米国食品医薬品局(FDA)は、10月10日、癌化学療法を受けている患者の悪心および嘔吐の予防に、ネツピタント・パロノセトロン配合剤[netupitant/palonosetron](Akynzeo)を承認した。
ネツピタント・パロノセトロン配合剤は、2種類の薬剤から成るカプセル状の用量固定配合剤である。2008年に承認された経口パロノセトロンは、化学療法開始後24時間以内に起こる急性の悪心・嘔吐を予防し、新たな薬剤であるネツピタントは化学療法開始後24時間以内の急性および25~120時間に発現する遅発性の悪心・嘔吐を予防する。
FDA医薬品評価研究センター医薬品評価第3課の長を務めるJulie Beitz医師は、「ネツピタント・パロノセトロン配合剤など支持療法に用いられる製剤は、化学療法の副作用として患者に認められることがある悪心や嘔吐の緩和に役立ちます」と説明した。
ネツピタント・パロノセトロン配合剤の有効性は、化学療法施行中の癌患者1,720人を対象とした2つの臨床試験にて確認された。患者はネツピタント・パロノセトロン配合剤または経口パロノセトロンのいずれかに無作為に割り付けられた。
2つの臨床試験は、癌化学療法開始後の急性期、遅発期、および全期間にみられる嘔吐に対する治験薬の予防効果を評価する目的で計画された。
最初の臨床試験によると、嘔吐が起こらなかった、あるいは悪心に対する頓用薬を必要としなかった患者の割合は、ネツピタント・パロノセトロン配合剤投与群では、急性期98.5%、遅発期90.4%、全期間では89.6%であり、これに対して経口パロノセトロン投与群では、急性期89.7%、遅発期80.1%、全期間では76.5%であった。2つめの臨床試験も同様の結果であった。
臨床試験で確認されたネツピタント・パロノセトロン配合剤の代表的な副作用は、頭痛、脱力感(無力症)、倦怠感、消化不良(胃腸障害)および便秘であった。
ネツピタント・パロノセトロン配合剤は、スイスのルガーノに拠点を置くHelsinn Healthcare S.A.社とのライセンス契約の下、ニュージャージー州ウッドクリフレイクに本社があるEisai Inc.社が販売している。
米国食品医薬品局(FDA)は、連邦政府保健福祉省(DHHS)内に設けられた機関で、国民の健康を守るために医薬品、動物用医薬品、ワクチンおよび生物製剤や医療機器の安全性と有効性の確保に努めている。FDAは、米国の食糧供給の確保や食品安全、化粧品、健康補助食品、電磁波を放出する製品の安全性を保証し、たばこ製品を規制する責務も担っている。
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