FDAがアテゾ静注適応の非小細胞肺がんなどにアテゾ+ヒアルロニダーゼ配合皮下注製剤を承認
米国食品医薬品局(FDA)
2024年9月12日、米国食品医薬品局(FDA)は、非小細胞肺がん(NSCLC)、小細胞肺がん(SCLC)、肝細胞がん(HCC)、メラノーマ、胞巣状軟部肉腫(ASPS)を含む、アテゾリズマブの静注製剤と同じ成人適応症に対して、アテゾリズマブおよびヒアルロニダーゼの皮下注製剤(販売名:Tecentriq Hybreza、Genentech社)を承認した。 各適応症については、処方情報を参照のこと。
アテゾリズマブとヒアルロニダーゼの皮下注射は、IMscin001(NCT03735121)で評価された。IMscin001は、がん免疫療法を受けたことがなく、プラチナ製剤ベースの化学療法後に病勢進行した局所進行性または転移性NSCLCの成人患者を対象とした、非盲検、多施設、国際、無作為化試験である。371人の患者が病勢進行または許容できない毒性が認められるまでアテゾリズマブとヒアルロニダーゼを皮下投与する群とアテゾリズマブを静脈内投与する群に無作為に割り付けられた(2:1)。
主要評価項目はアテゾリズマブ投与量と薬物動態学的(PK)エンドポイントの1サイクル目のトラフ濃度(Ctrough)とAUC0-21daysであった。その他の有効性評価項目は、奏効率(ORR)、無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)であった。1サイクル目のCtroughにおけるアテゾリズマブ皮下投与とアテゾリズマブ静注投与の幾何平均比(GMR)(90%信頼区間)は1.05(0.88, 1.24)、AUC0-21daysは0.87(0.83, 0.92)であり、事前に規定された比較可能性の閾値0.8を超えるGMR(90%信頼区間)の下限を満たした。ORR、PFS、OSに製剤間の顕著な差は認められなかった。確認されたORRはアテゾリズマブとヒアルロニダーゼの皮下投与群で9%(95%CI:5, 13)、アテゾリズマブの静脈内投与群で8%(95%CI:4, 14)であった。
グレードを問わず多くみられた有害事象(10%以上)は、疲労、筋骨格痛、咳、呼吸困難および食欲低下であった。
推奨用量は1回15 mLの注射液(アテゾリズマブ1,875 mgとヒアルロニダーゼ30,000単位を含む)を3週間毎に約7分かけて大腿部に皮下投与することである。
Tecentriq Hybrezaの全処方情報はこちらに掲載予定である。
- 監修 遠藤 誠(肉腫、骨軟部腫瘍/九州大学病院)
- 記事担当者 後藤 若菜
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- 原文掲載日 2024/09/12
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