Duragesic (フェンタニル)パッチ製剤 (貼布剤):医薬品安全性通達ー不慮の曝露リスクを最小限にするための包装変更/FDA安全性情報

2013年9月23日

薬剤師、患者向け

原文

問題点:米国食品医薬品局(FDA)は、より簡単に製剤を視認できるよう、Duragesic(フェンタニル)鎮痛パッチ製剤 (貼布剤)上の文字の色を変更するよう要求している。FDAはフェンタニルパッチ製剤への不慮の曝露に起因する死亡について調査を続けている。

フェンタニルパッチ製剤はたとえ使用された後でも、依然として強力な麻薬性鎮痛薬を多量に含んでいることから、患者と医療従事者は本パッチ製剤が危険であることを注意喚起されている。 これらのパッチ製剤への不慮の曝露は、子供やペットなどに重篤な有害事象や死を引き起こす可能性がある。

フェンタニルパッチ製剤への不慮の曝露リスクを最小限にする取り組みの一環として、FDAはDuragesicの製造業者に対し、消えにくく、患者や介護者にとってはっきりと分かる色のインクを用いて、パッチ製剤上に薬物名と力価を印刷するように求めている。現行のインクの色は力価によって異なっており、必ずしも視認しやすいものではない。この変更は、患者の身体に貼られているパッチ製剤を患者や介護者が認識しやすくし、子供やペットが不用意に触れたり飲み込んでしまうリスクのある、患者の身体から剥がれ落ちたパッチ製剤を容易に発見できるようになることを目的としている。フェンタニルパッチ製剤のジェネリック(後発品)製造業者は同様の変更を実施するよう求められている。

背景:Duragesic(フェンタニル)パッチ製剤は麻薬性オピオイドを含み、強力な鎮痛作用をもつ処方箋薬である。この医薬品はDuragesicの商品名で販売されており、また後発品も販売されている。

推奨:しっかりと貼られていないパッチ製剤が無意識のうちに剥がれ、子供のような接触機会の多い人に張り付く可能性があることを、患者は認識するべきである。使用されたフェンタニルパッチ製剤は、粘着面を中にして折りたたみ、すぐにトイレに流すという使用後の適切な廃棄を必要とする。患者や介護者、医療従事者のための推奨事項やデータの要約などの追加情報はFDAの医薬品安全性通達を参照のこと。

医療従事者や患者に対し、FDA MedWatch Safety InformationやAdverse Event Reporting Programにこれらの製剤の使用に関連した有害事象や副作用を報告することを推奨している。

・オンラインwww.fda.gov/MedWatch/report.htmにて、報告書に記入のうえ、提出のこと。

・書式をダウンロードするか、または1-800-332-1088に電話をして報告書書式を請求のこと。記入後、書式にある住所に送るか、または、 1-800-FDA-0178にファックスで送付のこと。

[09/23/2013 – Drug Safety Communication – FDA]
[09/23/2013 – Consumer Update – FDA

******
下野龍太郎 訳
佐々木裕哉 (血液内科/小倉記念病院) 監修 
******

【免責事項】
当サイトの記事は情報提供を目的として掲載しています。
翻訳内容や治療を特定の人に推奨または保証するものではありません。
ボランティア翻訳ならびに自動翻訳による誤訳により発生した結果について一切責任はとれません。
ご自身の疾患に適用されるかどうかは必ず主治医にご相談ください。

FDAニュースに関連する記事

米FDAが、非小細胞肺がんと膵臓腺がんにzenocutuzumab-zbcoを迅速承認の画像

米FDAが、非小細胞肺がんと膵臓腺がんにzenocutuzumab-zbcoを迅速承認

2024年12月4日、米国食品医薬品局は、以下の成人を対象にzenocutuzumab-zbco[ゼノクツズマブ-zbco](Bizengri[販売名:ビゼングリ]、Merus NV社...
米FDAが治療歴のある切除不能/転移性HER2陽性胆道がんにザニダタマブを迅速承認の画像

米FDAが治療歴のある切除不能/転移性HER2陽性胆道がんにザニダタマブを迅速承認

2024年11月20日、米国食品医薬品局(FDA)は、FDAが承認した検査でHER2陽性(IHC 3+)が検出され、治療歴のある切除不能または転移性の胆道がん(BTC)を対象に、zan...
米FDAが胃または胃食道接合部(GEJ)腺がんにゾルベシキマブと化学療法の併用を承認の画像

米FDAが胃または胃食道接合部(GEJ)腺がんにゾルベシキマブと化学療法の併用を承認

米国食品医薬品局2024年10月18日、米国食品医薬品局(FDA)は、FDAが承認した検査によりクローディン18.2(CLDN18.2)陽性であると判定された、切除不能または転移性のヒ...
米FDAが、KMT2A転座を有する再発/難治性の急性白血病にレブメニブを承認の画像

米FDAが、KMT2A転座を有する再発/難治性の急性白血病にレブメニブを承認

有効性は、KMT2A転座を有する再発または難治性(R/R)急性白血病の成人および小児患者104人(生後30日以上)を対象とした非盲検多施設共同試験(SNDX-5613-0700、NCT0406...